ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

【レコード】映画音楽3〜リップスティック

中学生になると学校で割引券が配られたりして、映画館に行くことが増えた。そして、FMで映画音楽の番組を聴きながら、エアチェックする回数も増えていった。

その時のカセットテープはもうないが、レコードを聴くと懐かしく思い出すことができる。

当時のスターだったアラン・ドロンとシルビア・クリステルがジャケットを飾った2枚組のレコードには、1976年頃の映画の記憶が詰まっている。

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収録曲は次の通り。

▪️1枚目

ダウンタウン物語

華麗な関係

ザッツ・エンタテイメントPart2

ブーメランのように

カサンドラ・クロス

キングコング

サイレント・ムービー

名犬ウォン・トン・トン

ラスト・コンサート

がんばれ!ベアーズ

タクシー・ドライバー

オーメン

リップスティック

カッコーの巣の上で

▪️2枚目

ベンジー

続エマニエル夫人

ジョーズ

タワーリング・インフェルノ

エマニエル夫人

追憶

燃えよドラゴン

小さな恋のメロディ

ゴッドファーザー

ある愛の詩

ロミオとジュリエット

太陽がいっぱい

エデンの東

禁じられた遊び

サントラ音源は「華麗な関係」だけだったが、編曲はかなりオリジナルに寄せていて違和感がなかった。それだけに当時、FMから流れていた曲をリアルに思い出すことができた。ここに収録されている曲はほぼエアチェックしたと思う。

特に1枚目に収録された曲は当時の最新映画で「カサンドラ・クロス」と「キングコング」は1976年の正月映画の目玉だった。そのゴールドスミスとバリーの音楽を初めて聴いた時の不思議な感覚は今でも覚えている。

それから同時上映で観た「オーメン」と「リップスティック」の衝撃たるや忘れられない。アカデミー音楽賞を取った「オーメン」は当然だが、「リップスティック」を担当したミッシェル・ポルナレフ電子音楽にも魅せられたものである。その音楽は今でも全く古びていない。

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レコードのタイトルは「愛のロードショー 最新映画音楽全曲集」。演奏はフィルム・シンフォニック・オーケストラで、いかにもそれっぽい。発売はポリドール。

インナーの解説はモノクロだが、このデザインはブログみたいで悪くない。こうしたカタログ的なレイアウトには無意識に影響を受けているかもしれない。

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なお、ジャケットの二人が共演した映画「エアポート’80」も映画館で観ているが、数年前にサントラが発売された時は嬉しかったものである。

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【備考】雪あらし

昨日から強風が吹き荒れている。今朝はそこそこ気温も下がって、久々にストーブを点けた。当地ではようやく雪も消えて、桜も満開となったが、今年の冬はとにかく雪に苦しめられた。

それだけにシーズン3の「雪あらし」の回は身につまされて、繰り返し見たいとは思わない。それほど自然災害に見舞われた時の感情を呼び覚ます。

冬の天気は変わりやすい。晴れていたと思ったら、急に雪が降り始め、それが吹雪に変わることもある。

ドラマでも雪が降り始めたことで、クリスマスのプレゼントを作っていた生徒たちをビードル先生は帰宅させてしまう。小降りだった雪は吹雪になり、そこにオルソンの店にいた母親たちもやって来る。この雪の中、帰った子供達はどうなってしまうのか・・・。

この先生の判断は難しい。あの311の悲劇を思い出さずにはいられない。ウィリーは「先生のせいじゃない」と慰めるが、やはり軽率だったかもしれない。母親たちが近くにいた訳だから、ここは待機させるべきだった。

それでなくても雪は方向感覚を失わせてしまうので、下手に動かない方が良い。メアリーたちは空き家を見つけて暖をとり、カールはかまくらを作って留まった。

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マッチ擦りの少女

それから男たちの救出活動で大切なことは一人では動かないこと。エドワーズは運が良かっただけである。今でも川で溺れた子供を救出しようとして自らが溺れてしまう大人は多い。いざ、その立場になった時に冷静な判断ができるかは難しい。

シーズン1の「救われた町」では3人だけで救命活動をしていたが、今回はキャロラインをはじめとした母親たちが凍傷になりかけた子供達を看病する。そこでカールとアリーシャを心配するグレースの心情に共感してしまう。他の子供が見つかった喜びの前に、「なぜ自分の子ではないのか」と思う気持ちは災害に見舞われた時には誰しも思うことであろう。

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結果的には一人だけの犠牲で済むが、そのたった一人の命の重みに打ちのめされてしまう。片方で喜んでいる人々がいる中で、その片隅では悲しみに打ちのめされている人がいる。

そこにオルデン牧師の代わりに説教をすることになっていたチャールズが突然、話し出す。初めて見た時には、まるでKYのようなチャールズの話に違和感を覚えてしまったが、これはクリスマスの日の出来事だったのである。クリスマスといえばキリスト生誕の日だから、そのことを話すのは自然なことである。

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それがこの場に相応しかったのかは分からない。この話を聞くことで、遺族となった母と息子は救われた気持ちになったのだろうか。クリスマスを単なるイベントとして消費しているだけの自分には理解できない。

ところが、「救われた町」の方が被害者ははるかに多いのに、最後の牧師の言葉とチャールズが家族の元へと帰っていくことで、希望を感じられるラストになっている。この違いをどう考えるかで評価は違ってくるのかもしれない。

ローラたちが助かったことをクリスマスの奇跡とするか、たとえクリスマスでも救えない命があったという厳しい現実を受け止めるか、そこに答えを見いだせないからモヤモヤしてしまう。

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クリスマスの星はあるものの・・・

個人的には映画「八甲田山」のように「天は我々を見放した」と思うことで生きようとするかもしれない。そうでも思わなければ雪国では生きていけない。

先日見たばかりの「北の国から」(23話)でも大滝秀治演じる清吉が次のように語っていた。

天災に対してね、諦めちゃうんです。何しろ自然が厳しいですからね。諦めちゃうことに慣れちゃってる。諦めちゃうです、神様のしたことには・・・。

八甲田山」は本物の雪に圧倒的な迫力があったが、ドラマでの人工的な雪は4Kになっても本物みたいだった。ホワイトアウトの中でクリスマスプレゼントの赤い色が印象的だった。これをチャールズが見つけたことが、クリスマスの奇跡だったのかもしれない。

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【レコード】映画音楽2〜ブーベの恋人

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今日も前回と同じく、古い映画音楽のコンピレーションであるレコードを聴いた。裏ジャケットの「男と女」からも分かるように、当時の定番である映画音楽の名曲が収録されている。タイトルも「スクリーン・ムード・スタンダード・デラックス」と、そのものズバリ。収録曲は次の通り。

A面ーーーーーー

太陽がいっぱい

白い恋人たち

男と女

鉄道員

シェルブールの雨傘

悲しみは星影と共に

夜霧のしのび逢い

B面ーーーーーー

慕情

スカーボロ・フェア

エデンの東

いそしぎ

ララのテーマ

ムーン・リヴァ―

魅惑の宵

ヨーロッパ映画だけではなく、アメリカ映画からも選ばれているが、時代は60年代までなので、そこそこ古いことが分かる。定価は1,700円。

演奏はムーヴィーランド・オーケストラで、日本コロンビアから発売されている。オケは無名ながら、普通にイージーリスニングとして聴くことができる。インナーのデザインも洒落ていて見ていて楽しい。

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ジャケットはクラウディア・カルディナーレだが、出演作は収録されていない。彼女の出演作では「ブーベの恋人」を思い出すが、同じ1963年に「8 1/2」「山猫」「ピンクの豹」にも出演しているのが凄い。そして、1968年にはモリコーネが音楽を担当した「ウェスタン」にも出演している。

さすがに1960年代にはフランスのブリジット・バルドー(BB)、アメリカのマリリン・モンロー(MM)と並び、イタリアのCCとして人気があっただけのことはある。そのBBと共演した「華麗なる対決」はフランシス・レイによる西部劇の音楽が印象的だった。

華麗なる対決 [DVD]

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  • 発売日: 2004/09/03
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個人的には1982年にドイツ映画祭で上映された「フィツカラルド」が忘れられない。音楽は「アギーレ」も良かったポポル・ヴー。

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  • 発売日: 2013/06/29
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アルバムではA面最後の2曲が良かったが、一般的な人気でいったら「ブーベの恋人」を収録しても良かったような気がする。


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ブーベの恋人 (字幕版)

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【レコード】映画音楽1〜冬のライオン

サブスク全盛の今、レコードで音楽を聴いている人がどれ位いるのか分からないが、自分はその一人である。

まるで骨董品を見るかの如くジャケットを眺め、ライナーノーツを熟読する。昔はまるで本のような読むレコードすらあったほどである。音楽を聴きながら、そうした文章を読むのはまさに至福のひと時だった。

今は目も耳も老化が進み、かつてのような感動を覚えることも少なくなってしまった。それでも記憶の再生装置としての音楽はまだ有効である。

 

最近はどうも最新の映画やドラマを見るのがしんどくて、つい昔の作品を選んで見てしまう。そうするとそこで流れる音楽に反応してしまい、ついレコードやCDに手が伸びてしまう。

もう数え切れないほど聴いているのに、飽きることがない。それに対して新しい音楽を聴くと疲れてしまい、最後まで聴き続けることができない。

ブログも何か新しいことを書こうとしても、すぐ手が止まってしまって書き続けることができずに途中で投げ出すことが多くなってしまった。要は持久力や忍耐力といったものがなくなってきたということ。

そこで、もっと気軽に書くことにした。その日に聴いたレコードなどの記録である。そこに一言でも感想が添えられたら十分である。

 

今日は中学の時に貰ったレコードを久々に聴いた。

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ジャケットは「ロミオとジュリエット」と「ロシアより愛を込めて」で、他に収録されている曲は次の通り。

Zの愛のテーマ

冬のライオン

ひまわり

シェルブールの雨傘

太陽がいっぱい

禁じられた遊び

鉄道院

続・夕陽のガンマン

恋のおもかげ

第三の男

ヨーロッパ映画の定番といったセレクトだが、「Z」が収録されているのが渋い。それもサントラ音源である。作曲者は「セルピコ」のミキス・テオドラキス。昔からこの辺りの曲をしっかりと聴いていたおかげで、民族音楽にも抵抗なく入っていけたんだと思う。


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同じことがジョン・バリーの「冬のライオン」にも言える。映画は見ていなくても007以上にカッコイイと思ったものである。その後、CDでサントラを購入して、ますますバリーに夢中になった。まさに、そうした原点になった曲である。

冬のライオン【HDマスター版】 [Blu-ray]
 

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ジャケット内の読み物も充実しており、写真を見るだけでも楽しい。007シリーズはコネリーが再登板した「ダイアモンドは永遠に」まで紹介されていたので、発売されたのは1972年頃だろう。こうして半世紀も前に発売されたレコードを見て、聴いてみるのも、ちょっとした発見があって面白いものである。

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小さなYeah9~天国の門

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シーズン5「なかよしの妖精」より

いつも寝る前に本を読んでくれたチャールズが出稼ぎで不在のため、一人で淋しさを募らせていくキャリー。キャロラインから苺を採ってくるように頼まれて森に入り、そこで自分にそっくりなアリッサという妖精に出会う。

演じているのがリンゼイ&シドニー・グリーンブッシュという双子。これまで交互にキャリーを演じてきたが、ここで初めて同じ画面の中に二人が登場する。

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パッと見、同じようにしか見えないが、上の前歯の隙間があるとないとで見分けがつく。リンゼイとシドニーがどっちなのかは分からないが、ちょっと嬉しい発見だった。

それで見ていると片方がキャリーだけを演じているのではなく、途中でアリッサと交代しているのが分かる。やはり、どちらも毎回演じているキャリーだけではなく、可愛い妖精を演じたかったのだろう。

その妖精であるアリッサがキャリーを天国に連れていく。天国の門を入ると聖ペテロ(ペトロ)から、ここにジャック・インガルスが居ると伝えられ、久々にジャックと再会する。

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この聖ペテロはWikipediaには次のように書かれている。

「わたし(主のこと)はあなた(ペトロのこと)に天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上でも解くことは、天上でも解かれる。」というマタイによる福音書の16:19の記述から、ペトロと言えば、映画やコミックなどでは、天国の門の前に立ち、リストを見ながら天国へ行ける人を選別する白髭のお決まりのキャラクターとしてしばしば描かれる。

ドラマでもこの記述の通りのキャラクターとして登場する。演じているE.J. アンドレはシーズン2の最終回「竜巻」など、たびたび登場してすっかりお馴染みの顔になってしまった。

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天国の門といえば、あの「ディア・ハンター」を監督したマイケル・チミノの映画を思い出す。当時は散々な評価であったが、時代背景は「大草原」に重なるので、今だったらもっと面白く見られそうである。

天国の門〈完全版〉 [Blu-ray]

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