ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

無欲と怠惰

パラリンピックが昨夜で終わり、ようやく今日からテレビも通常モードに戻った。自分もそろそろ通常モードに戻さないといけないと思い、とりあえず久々にブログを書いてみることにした。

9月になって急に冷え込み、季節の変わり目で体調が良くないのに、ワクチンの1回目を打ってしまったので頭痛と倦怠感でしばらく何もできなかった。これは気圧によるものか、ワクチンによるものか判然とはしなかったが2回目が心配である。

そんな状態で見た昨夜の閉会式もオリンピックと違ってなかなか良かった。国旗を持った一人が競泳で銀メダルを2つ取った山田選手だったのが個人的には嬉しかったが、手を振れないのがちょっと切なかった。

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その山田選手の座右の銘渋沢栄一の「無欲は怠惰の基である」ということを知り、ちょっと自らを反省してしまった。今のこの怠惰な生活の一因は無欲であることにもあると思った。無欲ということは現状を肯定することだから、ここから向上することはない。これではダメだと14歳の少女に教えられてしまった。

そこでまず物欲を復活させてみた。ほぼ2年前に4Kテレビを買って以来、Amazonを使っていなかったので久々に使ってみることにした。ちょうど電子レンジが壊れていたので購入することにした。なくても困りはしないが、あると便利という物である。これで質素な食事を少し贅沢にすることができ、食欲を満たすことができる。

それから遮光カーテンを購入した。昼間テレビを見る時に画面に光が映り込むのが気になっていたが、そのままにしていた。なんとなく贅沢な感じがしていたからで、これも調べてみたら随分と安く手に入り、家の窓にもぴったりだった。色もグレーで高級感があり、何よりも遮光効果が抜群で驚いてしまった。これで晴れた日中にも映像に集中できそうである。

4Kの番組を見ていると明るい場面は問題ないが、夜のシーンなどの暗い場面はより暗さが強調されるので昼間では良く見えないことが多かった。たとえば朝ドラ「おかえりモネ」は毎朝4Kで見ているが、夜の場面などは地上波とまるで印象が変わってくる。

先々週の「百音と未知」では二人の夜のシーンが印象的だっただけに、これがストレスなく楽しめるのが嬉しい。この週では妹の未知が上京して、亮を巡って姉と妹の確執が描かれて見応えがあった。

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その姉と妹を演じている清原果耶と蒔田彩珠はドラマ「透明なゆりかご」でも顔を合わせているが、その2話「母性ってなに」について書いた記事がここにきて当ブログの注目記事で首位になった。Googleの検索で「大草原」を上回るのは久々で何故って思ってしまった。

そこで調べてみたら今月からNetflixで配信が始まったことが分かった。さすがに若者を中心に人気があるだけのことはあると思った。Twitterでも「透明なゆりかご」のツイートが一気に増えただけに、その影響力は大きいということである。

その逆にNetflixで人気のあった「アンという名の少女」のシーズン2がいよいよNHK総合で放送される。これもシーズン1は深夜の放送にも関わらず、Twitterで人気が高かった。深夜でも地上波では注目されるが、4K放送はまだまだである。「大草原」もシーズン1がBSプレミアムで放送された時には話題になっただけに、早くシーズン2以降も放送して欲しいものである。

そうすれば当ブログも多少は注目されるかもしれない。「大草原」関連の記事はそこそこ読まれているので十分満足しているが、まだまだマイナーには違いない。正直、最近はブログを書く気になれなかったが、続けるためには無欲ではいけないのかもしれない。それでもブログで稼ぐ気はないし、承認欲求もさほどないだけに、どうモチベーションを維持していくか難しいところである。

オルガとパラリンピック

火曜の夜、東京パラリンピックの開会式をBS4Kで見た。オリンピック同様、感染拡大が続く中での開催の是非は置いておいて、こちらの開会式はオリンピックと違って最後まで見ることができた上に、感動もしてしまった。

その大きな要因が、空港で展開された片翼の小さな飛行機を演じた少女にあったのは間違いない。様々な出合いによって暗い表情がだんだんと明るくなっていき、そして最後には飛ぶことの喜びを全身で表現していて、こちらにもその喜怒哀楽がストレートに伝わってきた。

このストーリーを見ていて思い出したのが大草原の「オルガの靴」だった。足の不自由なオルガがローラたちと出会うことにより走ることができるようになった姿に重なってしまった。一人になったオルガが大地の感触を確かめるかのように、ゆっくりと走り始める姿は忘れられない。

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2年前にBSでこの回を見た後に書いた記事が今でも読まれているようで、久々に注目記事を見てみたら10番目にランクインしていたが、またすぐ落ちてしまうかもしれない。それでもパラリンピック共々、多くの人に見てもらいたいものである。

今朝のニュースではその開会式で主役を演じた13歳の少女のことが取り上げられており、改めて魅せられてしまった。実際に足が不自由で車椅子生活の少女は演劇は未経験ながらも、ユーフォニアムを吹いているとのことで音楽による表現には慣れていたようである。

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開会式では布袋寅泰との共演も印象的で、デコトラに乗ったバンドの演奏も最高だった。その光と音の響宴を見て、中学時代に観た映画「未知との遭遇」を思い出した。観客の居ないスタジアムはまるでUFOの内部のようでもあった。

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また、競技では競泳の背泳ぎで14歳の少女が銀メダルだったことが伝えられた。こちらも両手がなく、足も不自由でありながら屈託のない笑顔を見ていたら、それだけで胸がいっぱいになってしまった。

悪夢の音楽7〜マジック

猛烈な暑さが続いている。今朝は7時で早くも室温が30度を超えた。昨日など三条市が最高気温39度で全国一の暑さとなった。台風一過でもないのにフェーン現象で乾いた熱風が吹き、日本海側の気温を上げたらしい。

一方でコロナの感染者も増える一方で、当地でもクラスターが発生し、県内でも過去最高の感染者数を記録した。熱中症とコロナを防ぐためにはエアコンの効いた室内に居るしかないが、そうもいっていられないのが辛いところ。

それなのにオリンピックを強行した総理は、感染したら自宅療養を基本とすると言い始めた。会見などでその顔が映るたびに悪夢を見るようである。その表情の乏しい顔を見ていると昔見た映画「マジック」の腹話術の人形を思い出してしまう。

映画はリチャード・アッテンボローが監督し、アンソニー・ホプキンスが出演したホラーで、これを1979年7月7日に観ている。同時上映は「オーメン2」だった。当時の記録には次のように書かれている。

現代版ジキルとハイドのようなストーリー。腹話術で人気者になった男が、やがて人形に悪の自分を投影するようになる。知らず知らずのうちに精神を病んでいった男は、やがて大きくなった悪を抑えられなくなってしまう。その人形がなんとも不気味で、とにかく不可解で恐ろしい話だった。

映画はそれ以来見ていないが、その不気味な雰囲気はなんとなく覚えている。音楽はジェリー・ゴールドスミスで、後日CDでサントラを購入した。とにかく、この頃のゴールドスミスの音楽は「オーメン」だけでなく、どれも最高である。

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現実でも、操り人形のような男が悪に染まって暴走しないことを願うばかりである。

オリンピックとアン

オリンピックのメダルと比例するように感染者が増えているので、素直に競技が見られない。それなのにテレビはオリンピック一色で見るものがない。

40年前の今日は土曜日で、6時から「大草原」のシーズン6「幼なじみ」を見ていたが、現在はオリンピック中継のためBS4Kでのシーズン6は休止中である。当然、再放送もなく「大草原」ロスが進行中である。

夏ドラマも、小芝風花主演の「彼女はキレイだった」しか見ていないので、時間のある時は昔のドラマを見ている。

今年の4月3日に亡くなって今日が誕生日だった田村正和主演の「古畑任三郎」シリーズも久々に見直しているところで、今日はシーズン3の「絶対音感殺人事件」を見た。市村正親が指揮者を演じているが、演奏会のシーンでの曲が「ボレロ」だったのは忘れていた。

市村と言えば先日、篠原涼子との離婚を発表したばかりであるが、この二人から思い出すのは芳根京子である。その芳根が出演していた朝ドラ「花子とアン」の再放送もオリンピックのため最終週を残して休止中である。

花子とアン」と言えば、やはり「赤毛のアン」という訳で、その新しいドラマ「アンという名の少女」のシーズン2が9月12日スタートとのことで、これは楽しみである。

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赤毛のアン」と言えば、湊かなえ原作の映画「白ゆき姫殺人事件」でも印象的に描かれており、嫌ミスでありながら、その関係性はちょっと感動的だった。ここではアンが井上真央、ダイアナが貫地谷しほりで、二人とも朝ドラヒロインである。

そしてアンと言えば、アンネ・フランクを連想してしまう。その「アンネの日記」は今日、1944年8月1日を最後に終わっている。

アンネもまたホロコーストの犠牲者の一人であるが、1936年の今日、ベルリン・オリンピックが開幕したことも忘れてはならない。今もまた政治がオリンピックを利用しようとしているように、歴史は繰り返す。

 

そして今日が誕生日で今年の1月に亡くなったのがナタリー・ドロンである。アラン・ドロンと共演した映画デビュー作「サムライ」も良かったが、やはりフランシス・レイの音楽と共に「個人教授」が忘れられない。

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ちなみに、40年前の8月7日にテレビで「続・個人教授」を見たとの記述があるが、それ以来見直しておらず、まったく記憶にない。

ナタリー・ドロンが出演した「新・個人教授」も見たような気はするが、これもまったく覚えていない。

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悪夢の音楽6〜ホロコースト

現在、NHKのBS4Kの放送は、ほぼ全日、オリンピック中継で占められている。それも総合テレビの内容と同じである。正直、スポーツ中継を高精細の映像で見たいとは思わない。音声は5.1chであるが無観客では意味がない。

それでも先週の開会式は4Kで見ることを楽しみにしていたが、開始30分で見るのを止めてしまった。一応、総合テレビを録画して翌朝、早送りで見たが、リアルタイムで観続けなくて良かったと思った。

冒頭4分の音楽は差し替えられたようだが、そもそも映像自体に魅力がなかったので、どちらでも変わりなかったと思う。とにかく全体的にも統一感がなくバラバラな印象で、退屈な開会式だった。

そんな中で唯一面白かったのがピクトグラムのパフォーマンスだったが、これとてBSプレミアムで放送されていた「小林賢太郎テレビ」での演出レベルでの話である。その小林も過去にホロコーストをコントのネタにしていたことで解任されてしまった。

音楽的には大好きな「イマジン」と「ボレロ」が流れたのは嬉しかったが、あまりにもチープすぎて感動できなかった。あの映画「愛と哀しみのボレロ」のクライマックスのような演出が見たかったが、これは3年後のパリに期待したいところである。

 

その「愛と哀しみのボレロ」にはホロコーストも描かれており、今でも忘れられないシーンになっている。そこで犠牲になったピアニストの遺児がクライマックスでボレロスキャットを熱唱することになる。個人的には、この映画で多様性と調和について学んだような気がする。


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そんな悪夢のようなホロコーストを描いたドラマも見ている。1978年10月に放送された「ホロコースト/戦争と家族」を見て衝撃を受けた。このドラマで初めてメリル・ストリープを見てから、映画館で「ディア・ハンター」を観て忘れられない存在になった。


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音楽を担当したモートン・グールドは日本ではクラシックの指揮者として知られているが、このサントラでのオーソドックスな劇伴も印象的だった。このサントラは後日、輸入盤のレコードで購入した。

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しかし、その名前を知らなくても、あの日曜洋画劇場のエンディング・テーマを覚えている人は多いだろう。このコール・ポーター作曲「ソー・イン・ラブ」の編曲、ピアノ演奏、指揮をしたのがモートン・グールドだった。休日の終わりを告げるこの曲こそ悪夢の音楽だったかもしれない。


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