ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

映画「就職戦線異状なし」

1991年公開の映画「就職戦線異状なし」を20数年ぶりに見た。 世はバブル時代、就職も超売り手市場。今とはまるで様相が違う。主人公は織田裕二、ヒロインは仙道敦子和久井映見

 目指す業界はマスコミ。フジテレビを模したエフテレビや、K談社、S潮社なんてのが出てくる。当時は当たり前だったものが、今では笑いの対象になってしまう。和久井のボディコンの似合わなさはどうだろう。

当時のホイチョイ映画に比べたら、さすがに監督の金子修介の演出は手堅く面白く見ることができた。しかし、主人公には全く共感できなかった。モテる男の記号だけで、内面はない。

 就活をする大学生の群像劇といえば、あの「ふぞろいの林檎たち」が想起される。こちらには苦悩する内面が痛いほど伝わってきた。要は立場の違いであって、その人の置かれた状況で変化するだけのこと。

バブルの時代と言っても、全ての人がその恩恵を享受できた訳ではない。しかし、就活に関しては時代に感謝すべきだろう。中堅大学の文学部の学生がろくに就活もせずに、就職できたのだ。この映画に出てくる会社のグループ会社だったので、本社にも出入りすることができた。よって、映画の舞台にも実際に行くことができた訳だ。

ところが四半世紀が経過して、自分も都会のマンション生活から、地方の実家暮らしになってしまった。そして今はハローワークのお世話になっているが、仕事は見つからない。フジテレビもこれからどうなることだろう。

 この映画には坂上忍もモテ男として登場している。先日、再見した「深夜にようこそ」にも同じような役柄で出ていた。その後の変転は言うまでもない。

この映画についてはまだまだ語りたいことがあるが、言えないことがある。その秘密は和久井映見のセリフにある。

主題歌は槇原敬之の「どんなときも」だが、映画とは関係のないヒット曲になっている。全体の音楽は大谷幸。この後のガメラシリーズでジェリー・ゴールドスミスを彷彿させることとなる。本作では軽快な音で、映画のテンポを演出している。

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