1984年鑑賞映画一覧
インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説◎▲
海燕ジョーの奇跡
うる星やつら2▲
お葬式
風の谷のナウシカ◎▲
危険な年
キング・オブ・コメディ
グレイストーク◎
ザ・オーディション◎
ザ・デイ・アフター
JUMPING
スプラッシュ
スーパーガール◎
スカーフェイス◎▲
生徒諸君
Wの悲劇◎
タイトロープ
チ・ン・ピ・ラ
ナチュラル◎
晴れ、ときどき殺人
ハンガー◎
ブレインストーム◎
未来少年コナン 特別編
メイン・テーマ
ヤァ!ブロード・ストリート◎
ロマンシング・ストーン
(◎はサントラを購入した作品)
(▲はソフトを購入した作品)
映画「裏窓」のこと
BSプレミアムで放映した「裏窓」を録画で観た。1954年制作のヒッチコック監督作品。もう何度もテレビで見てはいるが、HD版では初めてだった。
この映画は1984年2月13日に新宿文化シネマ2で観ている。当時、ヒッチコック映画の中で、ジェームス・スチュアート主演作品がリバイバルで集中的に公開されたのだ。ヒッチコックについては語りつくされているが、この時、初めて見た感想ということで書いておく。
今までヒッチコックの作品では「白い恐怖」や「サイコ」などを観ている訳だが、この2作品が人間の心理をテーマとしてオカルトっぽい恐怖演出だったのに対して、本作は覗きをテーマにじわじわとサスペンスを盛り上げていくオーソドックスな演出だった。男女の甘いロマンスとユーモアを織り交ぜながら、ヒッチコックならではの映像空間を生み出していく。主人公は骨折のため一歩も動けないという設定でありながら、カメラが絶えず主人公の目の動きを追い、アパートの住人のそれぞれの人生を垣間見せていく。例えばミス・ロンリーハートやミス・グラマーなど、それだけでも魅力的。まさに、ここには映画の醍醐味がある。何気ない日常がスリリングな事件の舞台になり、それがきっかけになり男女が結ばれるというラブストーリーはありふれているだけにヒッチコックのテクニックが冴えわたる。あのモナコ王女となったグレイス・ケリーの美しさも印象的だった。
「知りすぎていた男」
3月1日(木) 新宿オスカー(映画三月祭700円均一)
「裏窓」と同様、ヒッチコック・サスペンスを満喫した。幸せな家族がふとしたことで不幸な事件に巻き込まれ、自分たちの手で解決していくというストーリーの面白さ。それに今回はクライマックスを音楽会の舞台に据え、セリフなしで巧みなカット割りと音楽でシンバルが打ち鳴らされる瞬間へとスリリングに盛り上げていく演出は見事であった。音楽と言えば劇中で2回歌われた「ケ・セラ・セラ」が子を思う母の心情を印象づけていた。その母を演じたドリス・デイが実に魅力的でコンサート会場における心の葛藤から発した悲鳴のシーンは忘れられない。また「裏窓」同様、ラストを何ともいえないユーモアで締めくくるあたり、さすがである。とにかく、サスペンスとユーモアそしてエレガンスの要素がミックスされた本当に面白い映画だった。
「めまい」
3月23日(金) 歌舞伎町シネマ2(1,300円)
先に観た「裏窓」「知りすぎていた男」に比べると、本作はユーモアもなく後味も悪いうえに難解で明らかに一線を隔てていた。だからといって面白くなかった訳ではない。これはサスペンスよりも男女の愛憎渦巻く心理に重点を置いた結果こうなったのだろう。前半はオカルト風味に進行し、中盤で謎が一気に解け、後半は男女の心理描写で気を持たせ悲劇的なラストを迎えるという構成は見事としか言いようがない。それにしても男の心理の微妙な動きを、これほど巧みに描いたヒッチコックは流石である。人の心が一番ミステリアスということか。
当時は「知りすぎていた男」がお気に入りだったが、その後、バーナード・ハーマン作曲のサントラを聴いてからは「めまい」が大好きになった。今回、久々に「裏窓」を観て、やはりこのスタイリッシュさはベストかもと思った。いずれにしてもヒッチコック作品はどれも凄いということだ。この年はその他にも、「ロープ」「ハリーの災難」「北北西に進路を取れ」を映画館で観た。そのヒッチコックの亜流と言われたデ・パルマ監督の「ボディ・ダブル」は翌年に観た。
映画「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」のこと
BSプレミアムで久々に「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」を観た。吹替版で、より楽しめた。もう、ばかばかしくてインディ・シリーズでは一番好きだ。オープニングのミュージカル・シーンから、もうワクワクする。美女と子供を連れた珍道中といった趣きもあり、観ていて楽しい。まさにクリフハンガーといったクライマックスとハッピーエンドも大好きだ。ジョン・ウィリアムスの音楽も珍しくバラエティ豊かだ。まさに80年代を代表する一本だと思う。公開は1984年。7月28日に日比谷の有楽座で鑑賞した。
写真はサントラのジャケットと当時もらったチラシ。この前の7月19日には同じ伝説がついた「グレイストーク ターザンの伝説」を渋谷パンテオンで観ている。そして、その後の8月11日には日比谷映画で「ストリート・オブ・ファイヤー」を観た。
ちなみに「風の谷のナウシカ」もこの年の公開。3月11日の日曜日が初日で朝の7時に新宿ミラノ座に駆けつけた。憧れの宮崎駿の舞台挨拶があったのだ。その3日前には同じミラノ座で「トワイライトゾーン」を観ている。とにかく、この年は好きな映画が目白押しで、とても書ききれない。年末には、この2本があった。
ドラマ「あまちゃん」と3本の映画
1984年について書くのは難しい。書きたいことは沢山あるのに、思い入れが強すぎて書けないのだ。当時の日記は恋愛がらみが中心で、今読むと恥ずかしい。映画は観てはいるが、記録は中途半端。映画よりも恋愛に重きが置かれていた。
この年、洋画では「ストリート・オブ・ファイヤー」、邦画では「Wの悲劇」が強く記憶に残っている。今でも大好きで、何度も見返している作品だ。同時にサントラも愛聴盤で、これまで何回聴いたか分からない。
写真はLDと当時のサントラ・レコード。お気に入りは最初と最後に歌われるJim Steinmanによる「ノーホエア・ファースト」と「今夜は青春」。80年代の数ある映画主題歌の中ではBest10に入る。
「Wの悲劇」では薬師丸ひろ子の歌うWoman。薬師丸の歌の中ではBest1。劇中での世良公則が新潟県立湯沢高校出身というのが個人的なツボ。とにかく、この2作については、もう好きとしか言えない。
実は、この2作の他に、もう1本、忘れられない映画がある。1984年11月28日に日比谷映画で観た「ザ・オーディション」。あの「あまちゃん」にも登場したセイントフォー主演の映画だ。残念ながらDVDにもなっていないので、公開以来、見る機会がないままだ。それでも忘れられないのは、サントラがあるから。
もちろんCDにはなっていないが、楽曲は粒ぞろい。馬飼野康二の劇伴も良いが、主題歌のRock’n Roll Dreams come throughは、何とJim Steinmanの作詞作曲。サントラには劇中のセリフも入るが、これってもろGMT!世良の役も「Wの悲劇」そのまま。
実は自分もこの映画に声だけ参加している。クライマックスのアフレコを頼まれたのだ。どうも迫力が足りなかったようだ。初めて成城にある東宝スタジオに行った時は興奮したものだ。「レイカーズ!」と叫ぶ観客の声はサントラにも収録されている。
口パクということでは、ダイアン・レインの歌もそうだ。1本の映画を○に例えると、五輪マークのように、この3本の映画は重なりあっている。そして、その中心に「あまちゃん」がある。