ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

ドラマ「64」

映画「64」の前編が公開されているが、残念ながら観てはいない。そこそこ評判も良いようだが、あまり観たいとは思わない。昨年のNHK土曜ドラマでの「64」があまりに良かったからだ。このドラマでの主役はピエール瀧。彼が警察組織の中で泥臭く右往左往する姿が実に印象的だった。それだけに映画での佐藤浩市は格好良すぎではないかと思ってしまう。

ピエール瀧を初めて意識したのが、やはり「あまちゃん」からだ。あの寡黙な寿司屋の大将、梅頭役は妙に記憶に残った。最近でもドラマW「きんぴか」での自衛官役や、映画「凶悪」での非情な殺人者役などの存在感は凄かった。今の朝ドラでは、饒舌な仕出弁当屋の大将を演じ、実に愉快だ。

「凶悪」で共演したリリー・フランキーも独特の存在感がある。彼が主演したNHKドラマ「洞窟おじさん」も強烈なドラマだった。このドラマの演出家・吉田照幸も「あまちゃん」の演出家の一人だ。ドラマ「64」の演出家・井上剛と音楽・大友良英もそうだ。今はお二人とも「トットてれび」を担当している。ドラマ「64」はキャストも皆ハマり役だった。「あまちゃん」からは尾美としのり、でんでん、安藤玉恵が出ていた。その他、山本美月木村佳乃中村優子、斉藤とも子が華を添えていた。そんな訳で、このドラマは自分にとっては昨年のベスト・ドラマとなった。映画はテレビで放映されたら見比べてみたいと思う。

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そんな昭和64年の日記から。

1月1日(日)

1989年のスタートは、雨の降りしきる中での甘美なる過去への追想であった。正月のテレビは例によって面白くなく、かといって家族の集う居間ではビデオにも集中できない。となると必然的に二階での音楽鑑賞となる。今日のところは、映画雑誌を読みながらのサントラ盤の試聴に費やした。CD全盛の今、サントラに限ってはアナログ・レコードが良い。ジャケット・デザインの魅力もあるが、音そのものの古めかしさが逆に新鮮である。最近買った「ファントム・オブ・パラダイス」なんかLDがあるのに、このレコードが実に良いのだ。「おもいでの夏」も「パリ、テキサス」も「追憶」も「キャット・ピープル」も「ワン・フロム・ザ・ハート」も「エンゼル・ハート」なんかもそうだ。新たな音を追いつつも、こうした古い音をも求めてしまう。本当に時間が足りない。触れる時間で手一杯で、それらを咀嚼して新たなものを自ら創造する時間がない。これでは、あまりに空しい。どんなものでもいいから生きた証を残したい。何も有名になんかなる必要などないが、何かしら人に誇れるものを持ちたい。そのためには、もっともっと勉強しなければならない。この3年間ですっかり錆びついた頭を、少しずつ鮮明にしていかねばなるまい。心機一転、何かしらやり遂げたいものである。