ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

大林映画との出会い

大林映画との出会いは何だったのかと、ちょっと調べてみた。今では「時をかける少女」が大林ベスト映画になっているが、当時の記述がない。地元の映画館で観た記憶があるが、いつ観たのかは覚えていない。併映の「探偵物語」の主題歌のシングルは買っているのに「時かけ」は買っていない。つまり、すぐに熱狂した訳ではなく、時を経るごとに魅力に気づいていったのだろう。公開は1983年7月。

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「転校生」を観たのが1983年2月8日。テアトル吉祥寺で併映が「蒲田行進曲」だった。記録を見ると、「蒲田」が目的で「転校生」はついでだったようだ。「蒲田」を絶賛しているが、「転校生」も印象に残ったようだ。

実にチャーミングでキラキラしていて胸がキューンとするような素敵な映画だった。男と女が入れ替わったらどうなるのかという、誰もが昔考えたであろう夢をノスタルジックな映像で処理した巧さ。主演の二人がだんだんと相手を素直に見つめ、それが愛に変わっていく過程はなかなか感動的だった。元に戻った二人がなんて男らしく、また女らしかったことか。この正常な場面がモノクロで、異常な日常をカラーで撮ったところなど憎い演出だ。

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そして連休で実家に帰省していた5月2日に月曜ロードショーで「ねらわれた学園」が放映された。当時から薬師丸ひろ子のファンだったので、当然、彼女が目当てだった。

ほとんど漫画の世界。でも映像は凝っていて、奇抜な特撮で魅せる。特にオープニングの映像は見事だった。モノクロとカラーを巧く使い分けて独特の映像を展開しており、同監督の次作「転校生」を連想させた。クライマックスはまるでアニメーションのような色彩で、原作のシリアスさはほとんどなかった。そんな漫画チックな世界に薬師丸の魅力が加わって本当に楽しい映画だった。こんなCMのような思想もなく、ただハチャメチャな映画も良いものだ。 

大林映画としては失敗作と言われている本作だが、自分はけっこうお気に入りだったりする。このあたりから独特の映像テクニックに魅せられていったようだ。そして「時をかける少女」に至る。

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その後、1985年9月25日に文芸坐で「ハウス」を観た。この頃の文芸坐は2館あり、邦画はもっぱら文芸坐地下で上映されていた。「ハウス」の他に自主映画の「いつか見たドラキュラ」なども上映されたと記憶している。日記にも「以前から観たかった大林宣彦の」とあるので、この頃にはもうはまっていたようだ。

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