ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

ある映画観賞券の思い出

昔の映画の鑑賞券が大量に出てきた。会社員だった1990年代のものがほとんどで、もっとも映画を見ていた頃のものだ。当時はシャンテ・シネクラブの会員だったので東宝系の映画は割引で見ることができた。そのため鑑賞券を購入したのは東映・松竹系とミニシアターのものが多かった。たいして貴重なものではないが、それなりに思い出はある。ちょっと過去を振り返ってみよう。

まずはこの3本。ジャンルもバラバラだ。マイナーな映画だから知らない人も多いと思うが、共通点がある。それこそが、これらの映画を観に行った目的だった。

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●「愛に気づけば」、1994年11月公開。

  ジーナ・デイビス主演の人間ドラマ。

●「冷たい月を抱く女」、1994年6月公開。

  ニコール・キッドマン主演のスリラー。

●「わんぱくデニス」、1993年7月公開。

  ウォルター・マッソー主演のコメディ。

分かる人は分かったと思うが、もう少し続けて見よう。

次の3本も同じである。

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●「メイフィールドの怪人たち」、1989年7月公開。

  トム・ハンクス主演のブラック・コメディ。

●「激流」、1995年4月公開。

  メリル・ストリープ主演のサスペンス。

●「パウダー」、1997年7月公開。

  ショーン・パトリック・フラナリー主演のファンタジー

普通の映画ファンでも、ますます訳が分からなくなったかもしれない。だいたい大ヒットしたわけでも、名作の誉れ高いわけでもない。まあ、異色作といったところで、ひっそりと公開されて終わった作品も多い。でも次の3本を見れば、アクション・ファンは分かるかもしれない。

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●「チェーン・リアクション」、1996年10月公開。

  キアヌ・リーブス主演のアクション。

●「エグゼクティブ・デシジョン」、1996年10月公開。

  カート・ラッセル主演のアクション。

●「追跡者」、1998年6月公開。

  トミー・リー・ジョーンズ主演のアクション。

エグゼクティブ・デシジョン」と「追跡者」の監督はスチュアート・ベアード。「チェーン・リアクション」の監督アンドリュー・デイビス」は「逃亡者」でも知られる。その「逃亡者」の続編が「追跡者」だ。

もう、だいたいお分かりになったと思う。最後にだめ押しでこの3本。

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●「氷の微笑」、1992年6月公開。

  シャロン・ストーン主演のスリラー。

●「ロシア・ハウス」、1991年5月公開。

  ショーン・コネリー主演のサスペンス。

●「グレムリン2」、1990年8月公開。

  フィービー・ケイツ主演のコメディ。

これに1990年12月公開の「トータル・リコール」を加えれば完璧だった。そう、音楽担当がすべてジェリー・ゴールドスミスだったのだ。特に上記3本はお気に入りで、「氷の微笑」と「ロシア・ハウス」のメロディの美しさと「グレムリン2」と「トータル・リコール」のリズムの心地良さにすっかり魅せられてしまった。

それからというものサントラ収集の熱が再燃してしまった。これまでは映画を観て、気に入ったものだけを購入していた。それがゴールドスミスが担当した映画というだけでサントラを購入するようになった。当時、タワーレコードHMVなどのCDショップが次々にオープン。サントラのコーナーもどんどんと充実していき、毎日のように通ったものだった。まだインターネットが発展する前で、新しい情報は店舗にあった。まだ見ぬ映画を想像してサントラを聴く楽しさ。

ただ残念ながらゴールドスミスの担当した映画はマイナーなものが多かった。普通だったら見ないような映画をその音楽だけで観に行った。それはそれで得難い体験だった。「愛に気づけば」や「パウダー」など映画は忘れられても音楽は素晴らしい。

そうこうしているうちに、なんとゴールドスミスが来日することを知った。これはなんとしても見たい。そして聴きたい。彼の作品を彼の指揮による生演奏で聴けるのだ。

1998年12月16日(水) ゆうぽーと簡易保険ホール

2000年10月27日(金) すみだトリフォニーホール

2度にわたって素晴らしい時間を過ごすことができた。