映画の鑑賞券には単館系の作品も多かった。
そんな中で、もっとも早い時期から通っていたのが、「シネマスクエアとうきゅう」だった。
オープンは1981年12月で上映作品は「ジェラシー」だった。
自分が上京したのも同じ頃だった。
初めての東京で観た映画はお隣のミラノ座で上映していた「Uボート」だった。
それからミラノ座へはよく出かけたが、シネスクは敷居が高かった。
オシャレな女性が多いというイメージがあった。
初めてシネスクで観た映画は1985年8月公開の「バーディ」だった。
アラン・パーカーとピーター・ガブリエルのファンだったので、どうしても観たかった。
映画の内容はオシャレからは程遠く、男の妄想が全開だった。
若き日のニコラス・ケイジとマシュー・モディンが出演。
今でも我が青春映画ベスト10に残り続けている。
これでもう恐れることがなくなったので、それからはちょくちょくと出かけるようになった。
「マリアの恋人」は1985年12月公開。
ナスターシャ・キンスキー目当てだった。
この作品も戦争による心の傷が色濃く反映された作品だった。
「1984」は1985年11月公開。
ユーリズミクスの音楽が目的だった。
「フランチェスコ」は1990年7月公開。
こちらはヴァンゲリスの音楽が目的だった。
日本映画もあった。「泰造」は1985年10月公開。
「愛について、東京」は1993年2月公開。
「マーラー」は1987年6月公開。
「主婦マリーがしたこと」は1990年10月公開。
「カルメン」は1983年のカルロス・サウラ監督によるものだが、いつ観たのかは覚えていない。
パトリス・ルコント監督作品も公開して大ヒット。
「髪結いの亭主」は1991年12月公開。
「仕立て屋の恋」は1992年7月公開。
「ホワイト・ローズ」は1989年公開とあるが、ほとんど記憶に残っていない。
1990年代は銀座や日比谷で映画を観るようになり、新宿からは遠ざかってしまった。
そして2014年にミラノ座とともに閉館してしまった。