ささやかな日常の記録

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倉本ドラマ「あにき」

倉本ドラマ「あにき」が第2話から一気に面白くなった。人形町の路地裏での立ち退きという住民のストーリーと並行して、大原麗子高倉健の兄と妹の葛藤と、それぞれの恋の話が描かれていく。亡くなった恩人の娘役が秋吉久美子、訳ありの女として倍賞千恵子が登場。健さんと女性たちとのからみが本当に面白い。妹を尾行して隠れていたところを見つかり、うろたえる健さんなど見たことがない。酒場での倍賞とのツーショットはその後、映画「駅」で繰り返される。

このドラマが放映されたのが1977年10月。同じ頃、映画「幸福の黄色いハンカチ」が公開。ドラマの中でピンクレディの歌も流れる。健さんのイメージが変わろうとしていた頃だ。

大原が恋するクリーニング屋の店員がボクサーという設定に既視感があった。そういえば映画「ロッキー」に似ている。1977年というともう「ロッキー」は公開されていた。大原の内気なキャラクターはエイドリアンそのものだ。

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今日は第4話まで一気に見てしまった。その間に「前略、おふくろ様」も見た。半妻のところにテレビ出演の話がくる。そのドラマには大原麗子が出演するという。ちょうど次のドラマ(つまり「あにき」のこと)が決まったばかりだったのだろう。その辺の事情が分かって、実に面白い。

「前略おふくろ様」のタイトルバックのイラストを描いているのが滝田ゆう。その彼が「あにき」では出演してナレーションまでやっている。決して上手くはないものの、実に味がある。半妻たちのとび職の世界をメインに持ってきたのが「あにき」でもある。

なお「あにき」の前に放映していたのが「岸辺のアルバム」というのも興味深い。山田太一から倉本聰へのリレーではあるが、その後、同時刻での対決となる。それが「想い出づくり。」と「北の国から」だ。

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(追記)

福井県で大雪が続いている。こちらでは午後になって雪が降り始めた。寒さは相変わらずで最高気温が1度のまま。いったいいつまで続くのだろう。

雪のため画像が乱れないことを願いながら、CSのTBSチャンネルを見続けている。

倉本聰脚本の「あにき」は回数を重ねるごとに面白くなっていく。初回は人物紹介がメインだから面白くないのは仕方がない。そこで見限ってしまえばそれでおしまい。

しかし、一人でも気になる人物が見つかれば見続ける価値がある。初回で不愉快な娘として登場した秋吉久美子がどんどんと素敵に見えてくる。健さんが妻を亡くしていたことなど5話になってようやく明かされた。見合いのエピソードなどはほとんど「男はつらいよ」の世界そのままだ。健さんのこだわりは可笑しくも、男の矜持に他ならない。