ささやかな日常の記録

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ドラマ「悲しくてやりきれない」

「悲しくてやりきれない」は1968年発売。ザ・フォーク・クルセイダーズのシングル曲だ。その曲を1992年におおたか静流がカバー。映画「しこふんじゃった」に使われた。


悲しくてやりきれない / おおたか静流

そして主題歌として使用したのが、ドラマ「悲しくてやりきれない」だ。脚本は山田太一。1992年11月放映。TBSチャンネルにて再見。

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当時、映画もドラマも見ていて、すっかりこの歌に魅せられた。そのドラマを久々に見て、改めて引き込まれてしまった。主演は名取裕子柄本明、そして役所広司

名取はアラサーの独身OL役。仕事だけの毎日に疲れて柄本の誘いで絵本の店を出そうとする。そのための資金として500万円を引き出すが盗まれてしまう。そこに居合わせたのが役所で犯人に間違えられてしまう。それを知った柄本は執拗に彼を追う。

長野の小布施を舞台にそれぞれの思惑が交錯する。ストーリーはまるでサスペンスのようだが、これはほろ苦いテイストのコメディである。とにかく軽妙なタッチが可笑しくて楽しい。音楽は「第三の男」などの映画音楽が使われて、最後には夜の観覧車が登場する。何とも粋な大人のラブストーリーになって物語は終わる。

名取は先日、ドラマ「けものみち」を見たばかり。ここでは平凡なOL役を楽しそうに演じている。柄本と役所の共演は映画「うなぎ」が印象的だが、ここでも息がぴったりだ。それぞれが情けない事情を抱えて右往左往する姿が何とも愛おしい。

「悲しくて、やりきれない」そんな想いが、おおたかの歌声で浄化されていく。映画「この世界の片隅に」のコトリンゴも良いが、やはりこの歌声が好きだ。