ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

音楽ドラマ「ホシに願いを」

このところ妙に息苦しい。精神的なこともあるかとも思うが、肉体的にも何か問題があるのではと考えてしまう。有名人のみならず、身近な訃報に接していると、行く末のことを思わずにはいられない。

大杉 漣が亡くなる直前に出演していた福島原発のドラマをようやく見ることができた。あのニュースの裏側で展開されていた現場の修羅場を見事に映像化していた。放射能という見えざる脅威に対して自分はあまりにも無知だ。これから先の放射能の影響など誰にも分からない。アンダーコントロールされているなんて詭弁もいいところだ。この息苦しさに放射能の影響がないとは言い切れない。

その大杉が2004年に西城秀樹と出演した音楽ドラマ「ホシに願いを」を見た。映画「ラ・ラ・ランド」と比べようもないが、その世界観は同じようなものだ。音楽に対する熱い想いが伝わってきて、ちょっとうるっとしてしまった。西城秀樹演じるキングと呼ばれたスターが事件の容疑者になる。その事件を追うのが大杉と稲垣吾郎。名曲「星に願いを」が二人の幼少期の記憶と重なり、感動をもたらす。ホシは犯人とスターを意味し、大杉の西城への思いが重ねられる。ドラマとしてはベタではあるが、それをミュージカルとして描いたのはチャレンジだ。本多俊之による名曲のアレンジが巧みで、見て聴いて本当に楽しかった。

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西城秀樹は2003年に最初の脳梗塞を発症したので、その後での出演。熱唱こそなかったが、しみじみとした歌唱にはまったく違和感はなかった。2011年に脳梗塞が再発。その後に出演した「ザ・スター リバイバル」という番組も見ることができた。福留アナとの対談では口調がおぼつかなかったが、前向きな姿勢は相変わらずだった。何よりも全盛期の熱唱の素晴らしさは圧巻だった。それだけにその落差が切なかった。対談で目標は布施明だったということを知った。ちょっと意外だったが、成程とも思った。

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たまたま、その後の番組が布施明のコンサートだったので続けて見た。布施は西城より8歳上で御年70歳。彼が初めて「レッツゴーヤング」に出演した1979年の映像を見たばかりだった。さすがに40年の歳月は残酷なれども、その歌唱力は見事なものだった。その熱唱スタイルを見て、西城が憧れたのも分かるような気がした。最後にはオペラから「マイ・ウェイ」へと続き、さすがに圧巻だった。

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1980年にオリヴィア・ハッセーと結婚した時には驚いたものだ。同年6月、角川春樹の制作で「復活の日」公開。同じ時期に公開されたのが薬師丸ひろ子主演の「翔んだカップル」だった。

その薬師丸が出演した新装「SONGS」を見た。ここでも星が重要なモチーフだった。薬師丸も最近、亡くなった方の夢をよく見るという。その一人がおそらく相米慎二だろう。なんだか呼ばれているんじゃないかって笑っていたが、その気持ちはよく分かる。今回の「Woman」は追悼の歌として胸に染み込んだ。

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