ささやかな日常の記録

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ワールドカップと敗者

まだ梅雨も明けないのに真夏のような暑さが続いている。夜も、ほぼ熱帯夜。そんな中でのワールドカップで、すっかり消耗してしまった。

午前3時に試合開始。これは深夜なのか、早朝なのか、迷うところ。そんな中途半端な時間にもかかわらず、しっかりと目覚めて観戦した。

面白いゲームだった。最後の最後での逆転ゴール。日本人にとっては悲劇であっても、ベルギー人には最高のドラマだったに違いない。まだまだ手が届かない世界の壁。それでも、しっかりと勝つための戦略を積み重ねてきたところは見事だった。

賛否があった前回の試合も、今回の伏線として十分に活きた。2点のゴールは称賛に値する。試合には負けたが、気持ちは負けていなかった。それが大切な事なんだと思う。

負けて勝つということ。ただ勝てばいいってもんじゃない。今回の経験を将来にどう活かしていくか。

それは選手だけではなく、見る人にだって問われることだ。時間稼ぎなんてみっともないと怒った人。ベルギー相手では負けると決めつけていた人。色々な感情があっていいと思う。それでも、何が正しいのかなんて、そう簡単には分からない。

とにかく今回のワールドカップの日本戦はすべてドラマとして最高だった。コロンビア戦での運がすべての始まりだった。運を味方にすることができたのも、それなりの実力があってのことだ。そして最後には運から見放された。それでも負けた選手の姿は美しかった。敗者の美学があった。

昔から、そんな映画やドラマが好きだった。すぐに思い出されるのが映画「ロッキー」だ。

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日本公開は1977年4月。ヤクザな三流ボクサーが運によってチャンピオンに挑戦し、夢を実現していく姿に憧れた。この映画を見て以来、苦しい部活の練習中にはあの主題歌が頭の中で流れたものだ。その甲斐もあって学校のマラソン大会で優勝したのも、懐かしい思い出だ。

同じ頃に観たのが映画「スラップ・ショット」だった。

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こちらは過激なホッケーを題材にしたコメディだったが、妙に面白かった。反則プレーで人気になったチームが、最後フェアプレーでボロボロになる姿が印象的だった。

こうした弱小チームが奮闘する映画では「がんばれ!ベアーズ」なんかも忘れられない。

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チャーミングなテイタム・オニールとオペラ「カルメン」の音楽が最高だった。

ワイドショーを賑わしたアメフトだったら映画「ロンゲスト・ヤード」が忘れられない。

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囚人チームが看守チームに挑む姿が男くさくて最高だった。

ちょっと思い出しただけで次々と懐かしいタイトルが出てくる。これらの映画は70年代にすべて映画館で観ている。地味な映画だけど、かなり心に残ってしまったようである。敗者になった人間を好むようになった原点のような映画とも言えるだろう。