2000年代にも、それなりに映画館に行っている。しかし、その後、見直すことはなかったので案外、記憶には残っていない。今日見た「LOVERS」もそんな1本である。
2004年8月公開時に観た記憶はあれども、内容はすっかり忘れていた。金城武とアンディ・ラウとチャン・ツイィーの三角関係が魅力的に描かれる。圧倒的なアクションと美しい風景、特に緑の竹藪のシーンは印象的だ。恋人たちの逃避行が二転三転していき、最後まで目が離せなかった。こんなにも感動的で面白かったのに覚えていなかったのが情けない。
監督のチャン・イーモウの作品は「紅いコーリャン」から見ていて大好きだ。以下の作品は映画館で観ている。
「紅いコーリャン」(1987)
「菊豆」(1990)
「紅夢」(1991)
「秋菊の物語」(1992)
「活きる」(1994)
「あの子を探して」(1999)
「初恋のきた道」
「至福のとき」(2000)
「HERO」(2002)
2005年には高倉健主演で「単騎、千里を走る」を撮っているが、これはテレビで見た。山口百恵に似ていると言われたコン・リーをヒロインにした作品の記憶は鮮明だ。チャン・ツイィーのデビュー作でもある「初恋のきた道」も忘れられない。他の監督作でも「グリーン・デスティニー」や「SAYURI」なども印象的だった。今回、久々に「LOVERS」を見て、チャン・ツイィーが清野菜名に見えた。清野はアクションをやりたいとのことなので、こうした映画を見てみたいと思った。
アンディ・ラウは「インファナル・アフェア」にも出演。なんだか同じような役柄で、ちょっと切ない。金城武は「リターナー」や「レッドクリフ」よりも「恋する惑星」が忘れられない。中山美穂と共演したドラマ「二千年の恋」もあった。
音楽は梅林茂。1985年公開の映画「それから」が素晴らしい。ドラマでも印象的な作品が多い。
「外事警察」(2009)
「セカンドバージン」(2010)
「書店員ミチルの身の上話」(2013)
など、ドラマともども印象的だった。「LOVERS」でもキャスリーン・バトルが歌った主題歌が美しい。
美しいと言えばワダ・エミの衣装もそうだ。特に鮮やかな緑の衣装は目に焼き付いた。
見事なアクションを演出したのがチン・シウトン。彼が監督した「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」3部作も大好きな作品である。
今回は吹替えで鑑賞したが、これも意外に良かった。金城武を東池宏樹、アンディ・ラウを池田秀一。この二人の葛藤と確執は色々と想像が膨らんだ。吹替えならではの魅力があった。
そんな訳で、気が付いたら自分の好きな要素が満載の映画だった。つい、どんな映画だったっけと軽い気持ちで見始めたのに、最終的には保存版になってしまった。こんなこともあるから、映画の見直しはやめられない。