世の中、何が起きるか分からない。自分のささやかな日常にあって、ちょっと不思議な動きがあった。普段ほとんど気にしていないことに変化があると、やはり気になるものである。それは、このブログのこと。
ドラマ「夕凪の街 桜の国」についての記事のアクセス数が異常に多かったのだ。いつもの5倍以上の数字に驚いてしまった。そんなに人気が出てしまったのかと一瞬思ったが、すぐに思い直した。こんなマイナーブログに限ってそんなことは絶対にありえない。
今日のアクセス解析を見て、納得した。単に視聴率が気になっていた方々が、検索してアクセスしただけだった。それなのに記事では、このドラマではなく、「半分、青い。」の視聴率だった。騙した訳ではないが、なんだか申し訳ない感じ。
それにしても世の中にはドラマの視聴率を気にしている人が意外に多いようである。以前、「相棒」の視聴率について書いた時も、少しアクセスが多かった。こうした単発ドラマだと、記事を書く人も少ないのかもしれない。
自分はよくブログで知らずにNGワードを使ってしまう。そうするとyahooブログの検索には引っかからなくなってしまう。別にアクセス数を伸ばすことが目的ではないから、どうでもいいことではある。特に役立つ記事を書いているとも思っていない。少数でも興味を持った方がちょっとでも共感してくれたら十分だと思っている。
それでは逆にアクセス数を伸ばすにはどうするだろう。それはNGワードを使わず、Magicワードを使えば良い。それが多分、ドラマだったら「視聴率」というワードになるのだろう。こんなことはブロガーには常識なんだろうけど、自分にとっては新鮮な発見だ。今ここで、この記事をアップしたら、また同じことが起きるだろうか。なにしろ前回と同じワードが含まれている。でも視聴率はまだ分からない。
視聴率と言えば、また「半分、青い。」が今度は24.5%で番組最高を更新したとのこと。昨日は台風が接近中だったけど、ドラマの内容は覚えていない。視聴率で言えば最高の内容だったはずなのに情けない。律の妻役の石橋静河が写真で登場したのはいつだっただろう。まさか、単なる悪妻として描かれもせず、離婚して再婚なんて流れにならないことを願う。
石橋静河は会社の同僚だった女性に似ている。その方は今の首相夫人にも感じが似ていた。遠い将来、モリカケ問題などがドラマ化されたら、石橋あたりが適役かもしれない。首相役は亀山時代の「相棒」に出演していた頃の津川雅彦だったら適任だっただろう。徳川家康役にしろ小賢しい感じが実に巧妙で見事だった。つまり加藤剛とは正反対のイメージで個人的には嫌いな役が多かった。それでも、素晴らしい役者だったことは認めざるを得ない。
石橋と言えば石橋杏奈の結婚が少々残念なニュースだ。初めて彼女を意識したのが2011年の朝ドラ「おひさま」だった。教師役の井上真央の教え子の一人で、土屋太鳳と二人で勉強を教わるシーンが印象的だった。2014年には朝ドラ「花子とアン」のスピンオフで主役を演じて、ヒロイン役もありかと思った。コントでの弾けた演技なども魅力的だったが、あまり役には恵まれなかった。まだ26歳だけに、結婚後の活動が気になる。
若い頃、歌手の岡村孝子のファンだった。アルバムも何枚も購入し、ドライブには必携だった。そんな岡村もプロ野球選手と結婚して、離婚した。彼女もそうならないことを願うばかりである。
人生には結婚も離婚もつきものである。だからこそドラマでは、その過程を丁寧に描いて欲しいと思う。
「夕凪の街 桜の国2018」では常盤貴子演じる被爆二世の女性が結婚をためらう姿が描かれた。相手は谷原章介演じるバツイチ子持ちの同僚。彼女が自分のルーツを知ることでプロポーズを受けるまでの心情の変化に共感することができた。
「健康で文化的で最低限度の生活」では安達祐実がバツイチ子持ちで生活保護受給者を演じた。夫のDVに苦しめられ、頑張らなければいけないという強迫観念に苦しむ母親という難しい役だ。娘を愛しながらも豹変するシングルマザーの不安定な境遇を安達が熱演。離婚により生活保護になり、児童虐待にも至るかもしれない怖さを丁寧に描いていた。
このドラマには川栄李奈がクールなケースワーカー役で出演。当たり前のように語られる女性にとっての結婚、出産を否定してみせる。安達とはBSPのドラマ「男の操」でも共演している。ほとんど話題にもならなかったドラマであったが、二人とも実に魅力的だった。
このドラマでは川栄が浜野謙太演じる子持ちの売れない演歌歌手を好きになっていく。倉科カナ演じる亡くなった前妻がビデオでお節介を焼くシーンが可笑しくも切なかった。ここでも川栄は老け役も厭わず熱演だった。川栄と浜野は2016年の朝ドラ「とと姉ちゃん」でも夫婦役を演じていた。同じ年にドラマ「こえ恋」でヒロイン永野芽郁のライバル役で出演。この時は、圧倒的に永野が魅力的だったが、今はその印象が逆転してしまった。今の永野には不快感しか感じない。
それに対して川栄の演技は自然とドラマに溶け込んでいく。「夕凪の街」では会社の同僚から好意を示されると、それを拒絶する姿が痛々しい。その理由が、あの日の地獄絵図とモノローグと共に描かれる。
あれから10年
幸せを感じる時
美しいと思う時
愛しかった日々のすべてを思い出し
すべてを失った日に引きずり戻される
おまえの住む世界はここではないと
誰かが私を責め続けている
その絶望はあまりに深い。陽の当たる原爆ドームを見上げる川栄の姿が印象的だ。好きな人に被曝の事実を打ち明ける場面はあまりに切ない。あの広島弁が優しく愛おしく感じてしまうほどで、その後の顛末は涙なしには見られない。
今朝のニュースでは長崎の教師が当時の日常を知ろうとする姿を伝えていた。今の小学生は原爆にまるで興味を示さないという。どうしたら関心を持ってもらえるか。アニメ「この世界の片隅に」を見て、当時の日常を伝えなければと思ったという。そこで身近な祖母に当時の様子を聞き、それを書いて伝えようとしている姿に感心した。
当たり前の日常が奪われたのは広島も長崎も同じである。かつて自分も青春18切符で旅をした。東京から長崎に行き、その帰りに広島に降りた。あの頃に感じた思いは、まだ消えずに残っている。
ドラマでも平祐奈演じる高校生が広島に来て成長する姿が描かれている。お墓の没年月日が8月6日ばかりなのを見て衝撃を受ける。そして夢を実現できなかった当時の人々のことを考えて、自らを省みる。どんなことでも過去は伝えていかなければいけないと改めて思った。