ささやかな日常の記録

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ドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」の現実

相変わらず不安定な天気が続いている。二つの台風が接近した時にはフェーンによる猛暑が続いた。台風が去った後には秋雨前線の停滞により長雨が続いている。気温は下がったが、蒸し暑さは変わらない。

これらが影響してか頭痛が悪化した。食事もまともに取れない状況が続いた。今日の午後になってようやく改善の兆しが見えてきた。改めて普通に生活できるありがたさを感じている。

ニュースでは障害者雇用の水増しが問題になっている。中小企業ならまだしも、推進している中央省庁がこれでは呆れてしまう。会社員時代に、障害者雇用の大変さは実感している。さらに税務調査での上から目線にも辟易とさせられた。そんな国税庁がもっとも水増しが多いというのだから、ひどい話だ。

当事者たる障害者の方々の怒りは想像に難くない。昨夜のドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」でも、その問題が描かれた。

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識字障害の方の就労の大変さの一端が少し分かった気がする。ハローワークでの面接など健常者でさえ、うんざりしてしまう。相手のことを考えることの難しさについて、改めて考えさせられた。

今回は川栄李奈演じるクールなケースワーカーがこの問題に取り組む。そのマニュアル的な対応で生活保護受給者の障害を見落としてしまう。それが分かってからも独善的に行動してしまい、相手の怒りをかってしまう。相手のためにしたことが、必ずしも良い結果になるとは限らない。どこにでもある悩みである。

現実的に、一公務員であるケースワーカーがここまで踏み込めるのかは分からない。だいたいハローワークの窓口の方は、ほとんどが非正規雇用だとも聞く。国やお役所がどこまでこれらの問題を、本気で考えているかなんて分かったものではない。

だからドラマを見ていてもモヤモヤしてしまう。主人公は悩めるヒーローで、生活保護受給者は保護されるべき弱者。現実では高給取りで仕事をしない偽善者が、不正受給の悪人を放置しているだけかもしれない。庶民の暮らしが楽ではないから、ドラマを素直に楽しめない。だから視聴率が悪いのも納得できる。

だけど現実は現実として、ドラマでこうした問題を取り上げることは有意義だと思う。自分も生活保護について、色々と知らなかったことを知ることができた。単純にドラマとして楽しんでも得るものはある。個人的には高視聴率の「半分、青い。」よりも、はるかに面白いと思っている。

ネットでは連日「半分、青い。」の持ち上げ記事がアップされている。一方、このドラマの主演である吉岡里帆は、まるで低視聴率の戦犯のように書かれている。それでも今回は川栄李奈がメインだったからか、上げ記事も目にすることができた。それはそれで、どうでも良いことだ。他人の評価よりも、自分がどう思ったかが重要である。今回の川栄の演技は悪くなかった。悩む姿は初回の吉岡と重なり、あの自転車での油さしが鮮やかに回収された。小柄な彼女が自転車に乗るシーンも印象的だった。