ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

秋のドラマと自転車

気がついたら10月も早、中旬になっていた。先週の土曜日は猛暑日だったのが嘘のように、すっかり秋の趣で、コタツも出した。コタツに入ると動きは止まり、思考も停止してしまう。せめてブログだけでも書きたいところだが、頭が働かない。困ったものだ。とりあえず、最近のことを書いてみる。

まずはドラマのこと。朝ドラ「まんぷく」は期待通りの面白さ。安藤サクラ長谷川博己が最高だ。安藤がヒロインになると聞いたときにはどうなることかと思ったが、さすがの存在感。まさか永野芽郁よりも魅力的なヒロインになるなんて思いもしなかった。桜が舞う中、姉の死を告げるシーンは感動的だった。その長女を演じたのが内田有紀で、次女が松下奈緒というのも良い。牧善之介役の浜野謙太と調理師役の藤山扇治郎コメディリリーフも良いアクセントだ。まさに適材適所のキャスティングが見ていて心地良い。芦田愛菜のナレーションも悪くない。「あまちゃん」以来、久々に初回から録画を残し続けている。このまま失速することなく最後まで楽しませて欲しいものである。

民放ドラマでは、やはり野木亜紀子脚本の「獣になれない私たち」に尽きる。リアルな崖っぷち女子に「アンナチュラル」的な現実を背負わせたドラマみたいだ。石原さとみが演じたミコトと新垣結衣演じる晶の生い立ちやキャラの類似が興味深い。石原と新垣を交換したらどうなったかと想像してみるのも楽しい。ライトなコメディか、ヘビーなヒューマン・ドラマか、どちらに向かっていくのか分からない。野木脚本では今週の土曜日にNHKで「フェイクニュース」もあり、楽しみだ。

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そして次にといきたいところだが、現在のところ見ているのはこれだけ。夏ドラマに比べてあまりにさびしい。正直なところ、あまり見たいドラマがない。見ればそれなりに面白いのだろうが、どうしても見たいというのがなかった。新しいドラマを見るのは楽しいが、見たドラマを見返すのも楽しいものだ。

「透明なゆりかご」の初回と第2回を見た。芸術祭に出品されるということで特別にこの2本だけ再々放送されたのだ。改めて初回を見直して、色々と再発見があった。耳慣れた音楽が流れてくるだけで条件反射的に涙腺が緩んでしまう。当初は気付かなかったアオイの病気と母親との関係が丁寧に描かれていた。そして冒頭のアオイが自転車で疾走するシーンと空想シーン。これだけ素晴らしい内容だったのに録画を消してしまっていたのだ。あまりに見る目がないと言わざるを得ない。それでも第2回をいきなり神回としたのは我ながら見事だった。そのタイトル「母性ってなに」で記事を書いたのが始まりだった。今では「母性ってなに」で検索するとその記事が出てくる。こんな言葉で検索する人はいないと思うが、なんだか照れくさい。

その第2回で素晴らしかった少女たちの自転車のシーン。夏ドラマでも印象的な自転車シーンは多かった。「高嶺の花」でも日本一周を目指す中学生が描かれた。その日本一周を掲げた自転車をリアルでも見ることになるとは思わなかった。樋田淳也容疑者の自転車による逃亡劇をドラマにしたら面白いだろう。映画にするなら同行するのは家出少女にしたいところだ。

最近見た映画にも印象的な自転車のシーンがあった。広瀬すずが主演した「先生!、、、好きになってもいいですか?」では、女子高生役の広瀬が先生役の生田斗真に会いに自転車を走らせる。先生との恋バナでは永野芽郁主演の「ひるなかの流星」のほうが良かった。この映画はその永野主演の「俺物語!!」の河原 和音の漫画が原作。それを「あの花」「ここさけ」の岡田麿里が脚色し、「陽だまりの彼女」の三木孝浩が監督した。それでも残念ながら魅力的な映画にはならなかった。それは、自転車のシーンだけを見ても分かる。「透明なゆりかご」の自転車のシーンと比べると一目瞭然である。必死な思いが伝わってこないのだ。

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その必死な思いが壮絶なまでに描かれたのが「サバイバルファミリー」だ。電気が止まった世界で生きるために自転車を走らせる一家の物語。ここでも朝ドラ・ヒロインだった葵わかなが女子高生役で熱演。父が小日向文世、母が深津絵里、兄が泉澤祐希。その過酷な状況下で生き抜こうとする姿は可笑しくも感動的だった。改めて自転車は最強だと思わざるを得なかった。

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自転車と音楽だったらクイーンの「バイシクル・レース」が忘れられない。1978年10月13日に英国で発売された。ちょうど40年前だ。当時、バイシクルと繰り返される歌詞が耳に残った。ジョーズなんて観たいと思ったことないし、スターウォーズは嫌いだよなんて歌われているなんて気が付かなかった。当時のクイーンの人気も凄かった。後になって買ったアルバム「JAZZ」のインナーの写真がなかなか刺激的だった。