「追跡者」を見た。「逃亡者」の知名度に比べれば、地味ではあるが決してつまらない映画ではない。「逃亡者」でハリソン・フォードを追い詰めたトミー・リー・ジョーンズが主役。
日本公開は1998年6月13日。上映時間131分。昨夜BSPにて放送。先週の「逃亡者」は5.1chだったのに今回は通常放送。
音楽はジェリー・ゴールドスミス。この年は他に、
「ムーラン」
「スター・トレック 叛乱」
「ザ・グリード」
を担当している。そして12月には待望の初来日公演があった。前年には「エアフォース・ワン」、翌年には「ハムナプトラ」が大ヒット。まさに晩年ながら円熟期の作品だ。
監督のスチュアート・ベアードは1996年に「エグゼクティブ・ディシジョン」、2002年に「スター・トレック ネメシス」を監督した。監督作はこの3本だけで、全てゴールドスミスの劇伴だ。だが、編集者としては、
「オーメン」
「スーパーマン」
「アウトランド」
「レディ・ホーク」
「ダイ・ハード2」などを担当し、最近でも
「007/カジノ・ロワイヤル」
「007/スカイフォール」がある。
主演のトミー・リー・ジョーンズは1992年の「沈黙の戦艦」での悪役で有名になり、翌年の「逃亡者」でアカデミー助演男優賞に輝いた。その2作を監督したアンドリュー・デイビスは、1996年に「チェーン・リアクション」を監督。キアヌ・リーブスは「スピード2」を蹴って出演した。音楽はゴールドスミスだったが映画は大コケ。
ウエズリー・スナイプスは1992年の「パッセンジャー57」に主演し、本作と同年の「ブレイド」が大ヒット。
しかし、本作の最大の魅力はヒロイン役のイレーヌ・ジャコブ。
1991年「ふたりのベロニカ」
1993年「秘密の花園」
1994年「トリコロール 赤の愛」
1995年「愛のめぐりあい」を経て、ついに32歳でハリウッド・メジャーに進出。出番は少ないながらサービスショット満載。しかし、残念ながらブレークには至らなかった。
そして脇役としてロバート・ダウニー・Jrが出演している。その後、「アイアンマン」が大ヒット!
ジェラード保安官の部下は「逃亡者」と同じ。「逃亡者」では難聴にさせられた部下を演じたトム・ウッド。今回はさらに悲惨なことに。ジョー・パントリアーノも脇役でよく見る顔だ。「バウンド」「マトリックス」「メメント」と好きな映画に出演している。
とにかくB級アクション風でありながら、テンポの良い演出は一級品。当時、ゴールドスミスの音楽はあまりにも地味だと思ったが、この映画には見事に調和している。「逃亡者」の音楽もゴールドスミスだったらどうなっていただろう。ハリソン・フォードつながりで「エアフォース・ワン」のような勇壮なメロディが聴かれたかもしれない。
原題はU.S. Marshals、連邦保安官。調べてみるとFBIが連邦捜査官で同じ司法省所属ながら微妙に違うようだ。FBIは米国内の複数の州にまたがる犯罪の捜査、誘拐事件、失踪者捜索、テロ対策、公安情報の収集などを任務とし、エージェントと呼ばれる。マーシャルは裁判所や裁判関係者の保護、囚人移送、逃亡者の捜索などを行なうようだ。
1998年の日記に記載があった。この年は本作以外にもゴールドスミス担当の映画を色々と観ている。コンサートも含めてゴールドスミスに魅せられた年と言っても過言ではない。
6月27日(土)
昨日に引き続いて、梅雨の晴れ間。
気温は30度、湿度も90%を超え、不快指数は高い。
さすがに昨日からエアコンを入れた。
9時からは歯科医で麻酔を打たれて気分は最低。
終了後、新宿に出て「追跡者」鑑賞。
内容はともかく劇場と映写が最悪だった。
6月3日(水)
6時50分よりスバル座にて「ザ・ワイルド」鑑賞。
アラスカ山中でのサバイバルドラマ。
ゴールドスミスの音楽が雄大な自然を彩り印象的だった。
7月20日(月)
休みにもかかわらず、いつもより早く家を出て映画館へ。
一昨日より始まったばかりであったが、朝9時の回で満員状態。
「L.A.コンフィデンシャル」傑作である。
9月3日(木)
夜7時より池袋の芸術劇場にてコンサート。
ゴールドスミスの映画音楽を生で堪能した。
合唱付の「オーメン」は見事だった。
10月3日(土)
9時より日比谷映画にて「ムーラン」鑑賞。
ゴールドスミスの音楽が見事にはまった傑作。
その後、公団の申込書を貰って帰宅。
10月30日(金)
あの「タイタニック」の変形バージョン。
内容はB級でもスタッフはA級で、怪物の動きは凄いし、
ゴールドスミスの音楽も異様な盛り上がりで、90分を堪能した。
12月16日(水)
永年の夢が叶った夜。
厚生年金ホールでのゴールドスミスのコンサートは素晴らしかった。
すべてサントラを持っている作品からの演奏は情感に溢れ、
本人の指揮も印象的だった。
前から2列目という席もさることながら、
終演後のスターティング・オーベーションも初めての経験だった。
12月28日(月)
仕事納めと共に新居からの初出勤となった。
納会を経て、3時半より「スモール・ソルジャーズ」を観て帰宅。