ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

ドラマ「まんぷく」の叫びと絶望

土曜朝の「まんぷく」を見てから体調が悪くなった。まるで萬平にシンクロしたかのようにベッドに横になり動けなくなった。秋晴れが続いた後での低気圧の発達で予感はあった。けれども防御はできない。久々の激しい頭痛に嘔吐も伴った。そんな苦しみの中でドリカムの歌が頭の中で鳴り続けた。

東京で勤めていた頃は、土曜になると頭痛に悩まされた。平日のストレスから開放されることでスイッチが入ってしまうらしかった。だから同僚に気づかれることはなかった。平日は薬を飲んで耐え続けた。有休もほとんど消化することなく働いた。「獣になれない私たち」の新垣結衣にかつての自分が重なる。

そんな苦しみも、翌朝になるとほぼ治ってしまう。今朝も普通に目覚めることができた。このブログは頭痛の備忘録が目的の一つでもある。だけど治ってしまうと改めて書くのが面倒くさい。そして無力感だけが蓄積していく。

だから萬平の気持ちがよく分かる。戦時下と今では比較にはならないが、絶望的状況はそれなりに訪れる。

仕事のプロジェクトで追い込まれた時。

東日本大震災で同僚を亡くした時。

中越地震で地元が被災した時。

家族が病気になった時。

自分の無力感に苛まれ、何度叫びたくなったことか。それだけに萬平の叫びは胸に響いた。

情けない

僕は何もできない

僕にできること

そんな問いを今でも繰り返している。そんな中で、できることの精一杯をやってきた。有休を最低でも5日間は取れるよう義務付けることを会社に要求したこともあった。今では国が義務化しようとしている。苦しかったことも、いつかは報われる。

そんな萬平に寄り添う福子が頼もしい。萬平にできることを「私が見つけます!」と言い切る強さが眩しい。演じた安藤サクラの存在感が圧倒的だ。

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そんな安藤の義母である角替和枝が亡くなった。8月に「透明なゆりかご」第6回で見たばかりだった。ドラマには次男の時生も出演していた。朝ドラ「おひさま」には三人揃って出演したこともよく覚えている。なんとも味のある包容力があった。

そんな彼女が朝ドラ主演に迷う安藤に出るようプッシュしたとのこと。安藤にとっては力強いバックアップだったに違いない。そんな存在を喪い、安藤も絶望的な状況になってしまったことだろう。これに負けずに、彼女の想いを胸に頑張って欲しいものである。