ささやかな日常の記録

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ドラマ「たんとんとん」

昨日の晴れから一転、冷たい雨が降り続いている。 そして、またしても頭痛。外では雨の中、家の新築作業が続いている。

たんとんとん。

山田太一脚本の大昔のドラマのタイトルでもある。森田健作が父の急逝により、高校を中退して大工見習いになる若者を演じた。母親役がミヤコ蝶々

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ドラマの中で、実際に家が建てられていく過程が楽しかった。それをリアルで見ることができる。けれども少しも楽しくない。頭痛だから余計、音が気になる。

これまで窓から地元の山を見ることができた。それが半分欠けてしまう。こんな近くに、あんな大きな家が建つとは思わなかった。

周りは田んぼばかりなのに、住宅地は密集している。インフラ整備のため仕方がないとはいえ、なんとかならないかと思う。ただでさえ人間関係が濃密なのに息が詰まりそうだ。

 ドラマ「たんとんとん」は1971年6月~TBS「木下恵介アワー」で放映された。山田太一脚本では「3人家族」「兄弟」「二人の世界」の後の作品になる。スカパーの日本映画専門チャンネルですべて見ることができた。

まさに山田ドラマの原点であり、後に展開されるモチーフが散見されて楽しかった。ヒロインは「3人家族」「二人の世界」で栗原小巻、「兄弟」では秋山ゆりが演じた。そして本作では榊原るみが演じて、実に魅力的だった。近藤正臣演じる同僚の恋人でありながら、恋していく森田健作演じる若者の姿は印象的だった。その気持ちが痛いほど分かるくらい、榊原るみが輝いていた。

同じ年にあの「帰ってきたウルトラマン」にも出演。この時の記憶はおぼろげながらある。突然に画面から姿を消した時の衝撃は子供ながらに大きかった。ドラマのヒロインに魅せられてしまう原点だったかもしれない。そして映画では「男はつらいよ 奮闘篇」のマドンナに抜擢。2012年5月にWOWOWで放映された時に見て感銘を受けた。

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実は映画ではもう一本、忘れられない作品がある。1969年公開の「長靴をはいた猫」だ。映画館体験の原点とも言うべき作品で、これまで何回見たことだろう。その後に活躍するスタッフ、キャストが結集している。あの宮崎駿が参加して、お城での追いかけっこに実力を発揮したという。まさに「カリオストロの城」の原点みたいなものである。最近でも「美女と野獣」の実写版を見て思い出したばかりである。

脚本は井上やすしで、ギャグ監修で小林信彦も参加している。宇野誠一郎の音楽は未だに口ずさむことができる。声優では「刑事コロンボ」前の小池朝雄が最高だった。そしてヒロイン、ローザ姫の声が榊原るみだったのだ。無意識のうちに彼女の魅力に囚われていたようである。

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そして1998年にリバイバル公開されたので観に行った。「銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー」の併映だったが、もちろん目的はこっちだった。久々に映画館で観ることができて興奮したのを覚えている。あれから、もう20年。初めての映画公開から来年で50年になる。名作は色褪せないものだ。