ささやかな日常の記録

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ドラマ「トクサツガガガ」

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初回も面白かったが、第2話も最高だった「トクサツガガガ」。小芝風花は掛け合いでより輝く。初回は日常生活にくすっとさせられたが、今回の倉科カナとのやりとりは爆笑の連続だった。同じ思いを持ちながら、世代間での微妙なギャップが切なくも面白い。

それは母親との関係でも同じだ。母親が娘に依存して、支配しようとする姿は普遍的なものだ。描き方によっては深刻なテーマにもなる。今回はさらりと流して、その葛藤にまでは踏み込まなかったが、今後どうなるか。

それにしても小芝はヒラヒラなファッションがよく似合う。そんな小芝を愛でるドラマでもある。

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小芝が演じるのは24歳の独身OL。会社ではあくまで普通を装っているが、実は特撮ヒーローが大好きなオタクだったりする。個人的にはそこまで隠すようなことかとも思うが、本人は絶対に知られたくないと思っている。そんな彼女の涙ぐましい努力がドラマになる。彼女の妄想も楽しい。

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それにしても時代は変わった。24歳の独身OLのドラマと言えば、真っ先に「想い出づくり。」が想起される。1981年放映だから、もう38年も前になる。当時はクリスマスケーキだなんて言われていたのが嘘みたいだ。

今、そんなことを言ったらどうなるだろう。それだけに母親の言葉が強烈だった。それに心の中で抵抗する小芝が最高に可笑しい。その母親を演じる松下由樹は1990年にドラマ「クリスマスイブ」に出演。バブルのこの頃はクリスマスの意味が恋愛における一大イベントに変わっていた。

そのように時代は変わっても、親世代の価値観はそんなには変わらない。「想い出づくり。」に出演していた森昌子が「日本ジュエリーベストドレッサー賞」に選ばれた。60歳以上の代表と言うから驚きだ。

ちなみに20代で選ばれたのが吉岡里帆だった。吉岡と言えば「あさが来た」で小芝の同級生役を演じて、一躍人気者になった。個人的にはなぜ小芝ではなく、吉岡だったのか不思議だった。

今やすっかり垢抜けて、より魅力的になった。それなのに、こうしたドラマに出演してくれたのが嬉しい。コメディエンヌとしての素質は十分にあった。「あさが来た」での波瑠との掛け合いは漫才のようでもあった。「崖っぷちの淵子」での岸井ゆきのとの共演も最高だった。「生活笑百科」にゲストで出た時の山田花子らとのトークも可笑しかった。でも「魔女の宅急便」や「夕凪の街 桜の国」での一途な役が良いのは言うまでもない。その一方で「女子的生活」での小悪魔的な女性ももっと見てみたかったりもする。

倉科カナも朝ドラ「ウェルかめ」のヒロインだった。ドラマでは「Mother」「天使のナイフ」「男の操」「マリオ」が印象的だった。リアルでも小芝と10歳の違いがあるが、まだまだ若々しく魅力的だ。それだけに特撮ショーにこれが最後と思い詰めて訪れる姿に魅せられてしまった。趣味の世界は年齢とともにハードルが上がる。友達の子供と同じものを買っているという事実に打ちのめされてしまう。それでも好きなものに望遠カメラを向ける姿は凛々しくもカッコ良かった。

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人は見かけによらないもの。任侠店(駄菓子屋?)の任侠さん(店員)もそうだ。個人的には、これはよく分かる。少女漫画や永田萌のイラストが好きだった。でも、それらを買うのは勇気がいったものだ。それだけに小芝と倉科の演技は、決して他人事ではないリアルなものとして響いてくる。倉科が任侠さんに言うセリフが刺さった。

関係ないと思います

好きなものに

性別とか、年齢とか、

それはきっと

自分が決めていいことだと思います

次回では木南晴夏演じる同僚との関係が描かれそうで楽しみだ。やはり、ドラマはこうした関係性で面白くなる。倉科演じる年上の女性との友情(のようなもの)が、どう育っていくのかも注目である。