ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

ドラマ「anone」第5話

 「anone」第5話にして、ようやく広瀬すずの魅力が全開。ここまで見続けてきた人たちだけが味わえる至福の瞬間があった。それぞれ不幸な過去を背負った人々が疑似家族となって食卓を囲む。そこに火野正平が訪ねてきてのドタバタが楽しい。

広瀬すずと田中裕子が病院の前で語り合うシーンは圧倒的だった。訥々と語るハリカとそれを全身で受け止めるアノネ。何もできないというハリカに対して、そこに居るだけでいいと諭すアノネ。暗闇に佇む二人の姿が美しかった。

翌朝、帰宅して髪を切ってもらいながら眠ってしまうハリカ。食卓を囲んで喋りまくるハリカの明るい表情。もう抱きしめたくなるような可愛らしさだ。この瞬間のために広瀬すずがキャスティングされたといっても良いくらいだ。これまで、いわゆる広瀬すずのイメージを封印してきたことで得られた歓び。まさに苦悩から歓喜への瞬間だった。それはドラマを見続けることの喜びでもある。映画が幹だとしたら連続ドラマは枝葉だということを改めて実感せざるを得ない。

しかし、その晴れ間は長くは続かない。初めての鍋を前にした会話の面白さ。鍋にミカンは「カルテット」の唐揚げにレモンに対応する。そんな異物混入的存在としてようやく瑛太が登場する。ドラマの味をどのように変えてくれるのか楽しみだ。


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