ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

雨の音

早朝4時半。まだ薄暗い。外からは雨の音が優しく聞こえてくる。久々に不快ではない目覚めだった。とっても素敵な夢を見ていたはずなのに、その感触だけ残して消えてしまった。それでも夢の断片は覚えている。学校の校舎の片隅に、隠されたように存在する階段。そこを降りていくと広大なグランドに出た。走っている生徒たち。その姿を見ていると、なんだか失われた感覚が蘇ってきた。思いっきり走りたい。そんな感覚だけ残して目覚めてしまった。昨夜、寝る前に20代の若者のブログを読み続けた影響もあったのかもしれない。彼らの日常がかつての自分の日常に重なった。生活環境は大きく変わっているはずなのに考え方の本質はそんなに変わっていないと思った。要は自分が成熟しておらず未熟なままだから、そんな彼らに共感しているだけなのかもしれない。

かつて自分も日記を書いていた。なんでもない日常のどうでも良い記録。当時も今も同じ24時間だったはずなのに、どうしてそんなにも書くことがあったのかと思うほどに、ノートにびっしりと書き込まれている。今と昔とでは生きる熱量に違いがあるのだろう。あの頃の情熱を少しでも取り戻したいと思った。そこで、とりあえず長文を書いてみることにした。内容なんてどうでも良い。ただ頭に浮かんだことをとりあえず書いていく。書くというよりも今は打つという方が正しいのかもしれない。昔は書き続けると指が痛くなってペンだこもできた。今ではそんなこともない。漢字も勝手に変換してくれる。なんて便利になったのかと思う。

ここまで書いてきてiPad用のキーボードの充電が切れた。当初は使い勝手が悪いと思ったが、慣れてくると意外に快適だったりする。何よりも手軽に書けるのが良い。とにかく思ったことをすぐに残せるというメリットは大きい。失われる前にとりあえず書いてみる。文章の上手い下手なんてどうでもいい。たかが素人の暇つぶしである。そんな気楽な気持ちで続けられたら最高だと思う。

そこで今日のことだが、午前中に小雨が降る中、買い物に出かけた。いかにも梅雨といった曇った景色が新鮮だった。午後からは久々の国会中継を見た。年金問題を取り上げるとなると見ないわけにはいかなかった。正直、総理、財務大臣、厚労大臣らの答弁は聞いていられなかった。この期に及んで、100年安心と言い続ける姿は滑稽であり呆れるだけであった。年金定期便での詐欺まがいの誘導など、いかに年金を払いたくないかが分かる。個人的には、こんな事態は予想の範囲内で、自助努力はしてきた。それでも、年金だけでは月5万円不足するから、95まで生きるなら二千万円を投資などで用意しなさいという内容は、どの口で言うのかと思わざるを得なかった。これでも夏の参議院選挙で与党が圧勝するようでは、もう何も期待することはできないということになる。

夜になっても雨は降り続いている。そんな雨音が響く中、映画「恋は雨上がりのように」を見た。アニメが良かっただけに、実写はどうかと思ったが、ヒロインを演じた小松菜奈は悪くはなかった。その親友を演じたのが清野菜名というのも、いかにもって感じ。店長を演じた大泉洋はくたびれた感じが足りないように思えた。やはり実写は役者のイメージが強すぎて、見る者の気持ちが投影しずらいところがある。切ない恋心や、中年の悲哀みたいなものが伝わってこなかった。

アニメで使われたAimerのRef:rainを聴くと今でも胸が締め付けられる。


Aimer 『Ref:rain』MUSIC VIDEO(5th album『Sun Dance』『Penny Rain』2019/04/10(水)2枚同時発売)

個人的なことだが、学生時代に長距離を走っていた。それなりの成績も残したが、無理をして引退を余儀なくされた。今でも心の傷として残り続けている。今朝の夢もその影響があるのだろう。この映画を見たのは偶然ではあるが、無意識に選択したのかもしれない。走るシーンのある映画やドラマは大好きなので、もう少し何とかならなかったかと思わずにはいられなかった。

雨音
 
恋は雨上がりのように
 
恋は雨上がりのように 10 (10) (ビッグコミックス)

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