ささやかな日常の記録

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映画「約束」

今日は岸惠子の誕生日ということを知らずに、彼女の主演映画「約束」を見た。これは萩原健一の追悼企画の1本として放映されたのを録画していたもので、内容等はまったく知らなかった。これが実に素晴らしかった。自分の好きな要素が満載で、すぐに保存版になってしまった。

 冬の日本海沿を走る列車の中で偶然出会った男と女。目的地も同じで、運命に導かれるかのように素性も知らずに惹かれあっていく。その感情の昂りが、冬の日本海を背景に描かれるのだから堪らない。岸の訳ありの雰囲気や、ショーケンの初々しさなども印象的だ。セリフは少なく、映像と音楽で魅せていく。音楽はこの後で「宇宙戦艦ヤマト」を担当する宮川泰。ワンテーマではあるがフランス映画のテーマ曲のような劇伴が印象に残る。ここでスキャットが流れたら完璧だった。そう、まるでクロード・ルルーシュの「男と女」を観た時の印象に近い。

監督の斎藤耕一は「津軽じょんがら節」で知られるが見ていない。脚本の石森史郎は多くの作品があるが、個人的には映画「銀河鉄道999」がベスト。ショーケンはこの後、ドラマ「太陽にほえろ」「傷だらけの天使」などに出演するが、本作での演技がその原型になったような気さえする。


予告編 約束 1972 斎藤耕一 岸惠子

岸は先日、久々の主演ドラマ「マンゴーの樹の下で」が放映されたばかりだが、録画をしてまだ見ていない。それというのもBSプレミアムで完全版が放映されるとのことなので、どうせならそっちを見たいからだ。また、現在BS12でもドラマ「沿線地図」が放送中で、こちらにも出演中。これは山田太一脚本で1979年に放映されたが、原作小説は読んだもののドラマは見ていなかった。ここでの岸は真行寺君枝の母親役で実に良い。フランソワーズ・アルディの主題歌も印象的で、フランス映画のムードということで、映画「約束」と重なってしまった。


フランソワーズ・アルディ Francoise Hardy/もう森へなんか行かない Ma Jeunesse Fout le Camp (1967年)