ささやかな日常の記録

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大草原の小さな家「町一番の金持ち」(2-1)

シーズン2の初回をDVDで見た。シーズン1での好評を受けての新シーズンのスタートだっただろうから、マイケル・ランドンも力が入っていたに違いない。脚本・演出に加え、自分をメインに持ってきたストーリーに、新たな決意が見てとれた。

取引先の倒産で予定していた金が入らず、借金を抱えることになったインガルス一家。これまでもチャールズの厳しい働き方は描かれてきたが、今回は皆でこの苦境を乗り越えていく。ローラとキャロラインは土地を耕し、メアリーは学校に行かずに裁縫を手伝い、キャリーまでもが乳しぼりをする。そんな働く姿が印象的だった。

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チャールズは泥だらけになって働き続け、そんな姿を見たオルソン夫人は不快感を示す。

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それはネリーとウィリーにも伝わり、「浮浪者みたい」とローラを揶揄する。

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それを聞いて悲しむローラが切ない。自分のことなら耐えられるが、大好きな父親の悪口は耐えられないのだ。そんなローラを優しく慰めるチャールズは父親の鑑である。泥と父親といえば、あの「北の国から」で描かれた泥のついたお札のエピソードを思い出した。

とにかく家族が一丸となって危機を克服していく姿は尊い。砂糖が買えずに、そのままブルーベリーを食べる食卓が温かい。自分も毎朝、砂糖を使わずブルーベリーとヨーグルトを食べているが、食卓は寒い。

そんな努力の結果、ようやく借金を返せる目途が立つ。お金を数えるチャールズを見守る家族の姿が、BS4Kで放送中のシーズン2のメイン・ビジュアルになっている。

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しかし、なんといってもキャロラインの働く姿が美しい。まるで「風と共に去りぬ」のスカーレットのようでもあった。そんな姿を見たチャールズの言葉も印象的だった。

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Wikipediaによると日本での初放送は1976年12月17日で、シーズン1の「吹雪の中」の翌週に放送されたとのこと。そして、次がシーズン1の最終回「父さんの友情」だったらしい。確かに流れとしてはしっくりとくる。過酷な状況が続き、オルソン夫人たちへの反発が強まった中での競技会は、いやがうえでも盛り上がったに違いない。

原題は、The Richest Man In Walnut Grove、最も裕福な男イコール金持ちではあるが、あまりにも直截的だ。お金がなくても、素晴らしい家族がいるチャールズは、町一番の幸せ者ということである。