ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

大草原の小さな家「釣り友だち」(2-9)

原題はEbenezer Sprague、エベニーザー・スプレーグ、ウォルナット・グローブに新設された銀行の人の名前である。いかにも堅苦しい名前通りの堅物で、チャールズとキャロラインの話もまともに聞いてくれない。ところが趣味の釣りで知り合ったローラとの交流を通して、少しずつ柔らかくなっていく。その過程がとにかく楽しかった。

演出のヴィクター・フレンチはジャックの使い方がいつも巧い。二人の出会いはジャックが吠えたことで馬車が暴走したこと。釣りのシーンでもジャックがいいアクセントになっていた。今回ばかりは原題よりも邦題の「釣り友だち」で良かったと思う。

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このスプレーグという銀行家の登場で、シーズン2のこれまでのストーリーで語られてきたテーマの一つがはっきりした。これまで金が全てだった男が変わったのは何故か。そこにお金で買えない価値あるものがあるということ。そんなシンプルな問題提起が胸を打つ。今でもスプレーグのような人間は多いだけに、自分のことのように身につまされた。

このスプレーグは「砂金の夢」にも登場して、ローラの夢を打ち砕く。お金というものを子供たちに理解させるという意味においても、これ以上の教材は無いかもしれない。教科書の大切さについても考えるきっかけになるかも知れない。