年末年始は曜日の感覚がなくなってしまう。新年の今日は水曜日。BS4Kで「大草原の小さな家」の放送がある日だが、残念ながら今日はなし。そこで久々にDVDでシーズン1の初回を見直した。
これがもう、新年に見るに相応しい内容で、素直に今年も頑張ろうって気持ちになってしまった。BSプレミアムでの放送時にはパイロット版の「旅立ち」に圧倒させられたせいで気がつかなかったが、このシーズン1の初回もかなり濃い内容だった。マイケル・ランドンの演出にも気合が入っている。
プラムクリークに定住することを決めて仕事に精を出すチャールズ。無理な仕事が続いて日曜日に寝過ごして教会にも行けない始末。
町の男たちの多くも出席しておらず、嘆く牧師。キャロラインも気が気ではない。
それなのに帰ってみると畑に出ているチャールズ。そんな彼を見て怒るキャロラインがとても魅力的だった。安息日の日曜に働いてはいけないのは信仰上あたり前のことではあるが、それ以上に体のことが心配なのだ。
それでも何とか仕事にも目処がついて皆でピクニックに出かける。丘から降りてくるシーンにあの音楽が流れて楽しい雰囲気を盛り上げていく。前回見た時には気づかなかったが、劇伴にはテーマ曲のアレンジが効果的に使われていて耳に残る。
しかし、その楽しさはチャールズの無邪気さが仇になって反転する。牛2頭を担保にしていた仕事ができなくなって、早々に牛を取られてしまう。そんな情け容赦ない男の名前はオニール。演じたラモン・ビエリは映画「地獄の逃避行」「アンドロメダ・・・」「レッズ」、リメイク版の「恐怖の報酬」「シシリアン」などに出演しているようだが、覚えていない。このふてぶてしい感じは悪くないので、機会があれば見直したいところ。
オニールと言えばライアン・オニールという俳優がいる。映画「ある愛の詩」が有名だが、個人的にはテイタム・オニールの父親ということで忘れられない。自分にとっては70年代を思い出させてくれる名前である。
契約期限にはまだ間があることを知ったチャールズはケガを押して仕事をしようとする。そんな父親を心配しながら見守っていたローラとメアリーの行動が良い結果をもたらすあたり、実に感動的である。
こうして黙認していた人々が決起するようなシーンは何であれ心が揺さぶられるものである。そんな町の人の代表として、ハンソンとベイカーが早くもクローズアップされている。お互いの時計の性能を自慢し合う姿が微笑ましかった。
こんな人々の暖かさが何よりも大切なんだという分かりやすいメッセージ。ローラのナレーションが原題Harvest Of Friendsの意味をしっかりと伝えていた。
帰り道に父さんは言いました。
プラムクリークに落ち着いてよかったな。
私もそう思います。
小麦の収穫はまだ先だけど素晴らしい収穫があったのですもの。
そう、お友達という収穫。
いいお友達が大勢できて父さんはとても嬉しそうです。
やはり当時の吹替は多分に思い出補正もあるとは思うが、見ていてしっくりとくる。ここには等身大のローラとメアリーが息づいている。初放送時は10歳と12歳くらいだと思うが、やはり幼い感じがする。キャロラインと並ぶと一目瞭然だ。
初めて家に入ってベッドメイキングをする時の楽しさはあの「アルプスの少女ハイジ」と同じである。ローラが「いいなぁ窓って」とうっとりする表情が印象的だ。
この時はまだメアリーが通路側だったのも気がつかなかった。
とにかく1回見ただけでは気づかなかったことが色々とあって楽しかったが、この中に物語の全ての要素が盛り込まれていることに改めて驚かされた。
今年も4Kの放送は別物として楽しんでいきたいと思う。