ささやかな日常の記録

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大草原の小さな家「遠くで働く父さん」(1-3)

正月も3日になると、そろそろ仕事のことが気になる人も多いだろう。出社するのが嫌だと思っても、仕事があることの幸せは忘れがちである。ましてや仕事で命を失うことなど考えもしないだろう。この「遠くで働く父さん」を見直して、改めて労働について考えさせられた。

小麦が豊作で喜んだのも束の間、雷雨と共に雹が降り、収穫できなくなってしまう。不安そうに窓から外を見つめるチャールズ。窓は暖かい家と厳しい外界を隔てるものでもある。

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昨年の台風被害を思い出すまでもなく、今でも繰り返されている現実である。今では公助のシステムができているので多少は安心ではあるが、それでも被害を受けたら大変なことには違いはない。

それこそ前回の東京オリンピックの頃は農村からの出稼ぎも多かった。朝ドラ「ひよっこ」は出稼ぎで東京に出て失踪した父親を捜す物語でもあった。今でも3Kの労働環境は少なくなく、そうした現場では外国人が多く働くようになった。

チャールズも仕事を求めて家を出る。原題の100 Mile Walkは160キロも仕事を求めて歩いたということである。その道中で二人の男と出会い石切り場で働くことになる。よく囚人の労働現場として描かれたりするほど過酷な環境である。発破を扱うから命の危険もある。そんな厳しい現場で働く男たちの姿が胸を打つ。

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一方で家に残ったキャロラインたちも倒れた小麦から、少しでも収穫しようと汗を流す。

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まるでミレーの名画「落穂拾い」のようで印象的だった。

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男も女も家族のために一心となって働く姿は尊い。とにかく何があっても挫けずに働く姿に励まされずにはいられない。自分も長い東京での出稼ぎを終えて家に戻ったみたいなものだから、心を揺さぶられずにはいられなかった。

ちなみに「大草原の音楽」の1回目に載せたYouTubeは、この回のラストシーンである。苦難の果ての再会に音楽も盛り上がり、実に感動的である。

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