今日の朝ドラ「スカーレット」は、天才肌の陶芸家であるヒロインが作った花柄の食器で食事をするシーンが描かれた。同じご飯でも美しい食器で食べると美味しくなるということである。
今回はそんな花柄の食器を巡るストーリー。美しい未亡人のために働くチャールズ。キャロラインに美しい食器を贈って驚かすために、内緒で働き続ける。
そんな真意を知らずに勝手に誤解してしまう女性たち。ローラとメアリーは父親を取られてしまうのではないかと気がきでない。キャロラインも嫉妬から高いブラウスを作ってしまう。そんな姿が可笑しくもいじらしい。
そんな妄想をしてしまうほどエリザベス・サーモンド未亡人は魅力的ということ。演じたマリエット・ハートレイはヒッチコックの「マーニー」や「刑事コロンボ」など多くの作品に出演。いかにもゴージャスな雰囲気があった。
銀行家のスプレイグも登場し、チャールズが新たな借金をしようとするのを諫める姿が印象的だった。少額でも借金は借金なのである。そのためにチャールズが取った行動が騒動のきっかけになったというのも面白い。
原題はFor My Lady、私のレディのためにということで、チャールズにとってキャロラインは美しい食器が似合う淑女ということだ。そんな食器も大切に仕舞われてしまったら意味がない。毎日の食事に使われてこそ価値がある。そんな贅沢が素晴らしい。
特にドラマティックな展開はないが、小さな感情の揺れを描いていく今回のようなストーリーは大好きだ。父さんを信じているけど、ちょっと疑ってしまう微妙な表情が多く見られて楽しかった。