ささやかな日常の記録

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大草原の小さな家「兵士の帰還」(2-21)

前回の愛国に対して今回は反戦がテーマで、その振り幅は大きい。帰還兵を主人公にその心の傷が生々しく描かれていた。負傷時に使われたモルヒネへの依存や、戦場でのトラウマなどを通して戦争の恐ろしさが伝わってくる。

兵士としてラッパを吹いていた男は、フィラデルフィアの楽団で働いていたが12年ぶりに帰郷する。音楽教師として働き始めたものの、依存症に苦しむ。メアリーに優しかった男が急変する姿こそが、麻薬の恐ろしさである。

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その一因となった戦友の息子との出会いも、男には辛いものだった。ラッパを習いたいという少年に合わせる顔がないのだ。ラッパの勇ましい響きが、哀しみを漂わせて印象的だった。

アメリカの戦争映画を観ていると、この進軍ラッパのシーンがよく出てくる。それだけに戦争の象徴的な意味もあるのだろう。個人的には映画「グローリー」を思い出した 。

70年代の後半になるとベトナム戦争を描いた映画が多く作られて反戦ムードが高まっていたが、その先駆けみたいな内容に驚いてしまった。

そんな暗いストーリーではあったが、演奏シーンは楽しいものだった。冒頭のハーモニカから始まって、おもちゃピアノ、バイオリン、フルートなどの楽器が登場する。ローラが初めてバイオリンを弾くシーンを見て、昨年末に終わったドラマ「G線上のあなたと私」を思い出してしまった。

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