ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

大草原の小さな家【シーズン5】14話~24話

◉「なかよしの妖精」(14)は70分の長編で、成長したキャリーのファンタジーとチャールズのリアルな仕事の現場を交互に描いていく。正直、長編で描くより別々に見たかった。原題のThe Godsisterは意味不明だが、キャリーにそっくりな少女のことだろう。天国にも連れていくので神の妹といったニュアンスなのかもしれない。天国では弟ではなくジャックと出会うのは仕方がない。これまで交互に出演してきた双子が同じ画面に登場するのが楽しかった。それに対してチャールズの現場は例によってハード。鉄道から電話線の工事へと少しずつ時代が変化していく様子が興味深いところ。

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◉「アイザックじいさん」(15)はユダヤ人の木工職人が登場し、ユダヤ人への差別を描く。原題のThe Craftsmanはまさに職人のこと。そんなアイザックが涙を流しながら棺を作る姿をアルバートが目にする。それが伏線となって、アルバートの成長が描かれて印象的だった。

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◉「悲しい綱渡り」(16)はサーカス好きの少年が両親の離婚の危機を回避するためについた嘘を巡るストーリー。原題はBlind Man's Bluffで、盲人のはったり。そんな嘘を知ってしまったローラの苦悩と願いが印象的。

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◉「夢を見る人」(17)はウィノカで出会ったギャンブル好きのトビーの恋愛模様を描いた70分の長編。そこに例によってローラの恋模様が重ねられていく。原題はDance with Meで、そんな二人がダンスパーティで踊れるかどうかが見どころ。その会場で吊るされていたのが「鹿園」と書かれた提灯。奈良の鹿苑と関係あるのだろうか。

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邦題の由来になった音楽も印象的だった。


夢路より (夢見る人) Beautiful Dreamer フォスター

◉「まぼろしの赤ちゃん」(18)はメアリーの妊娠を巡るストーリー。そこにアダムの音信不通だった父親が現れ、その確執が描かれる。邦題でネタバレしているが、原題のThe Sound of Childrenが救いとなる。

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◉「湖の怪獣」(19)はオルソン夫人が購入した別荘での騒動を描いたストーリー。原題The Lake Kezia Monsterの通り、久々にケジアおばさんが登場し、彼女の家を守るためにローラたちが怪獣騒ぎを演出する。これが映画「ジョーズ」「13日の金曜日」などをパロっていて楽しかった。

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◉「燃える納屋」(20)は正義と差別を考えさせる裁判劇。陪審員となった黒人のジョーが自らを差別している男を証拠がないからと無罪とする理由(疑わしきは罰せず)が感動的だった。原題のBarn Burnerは納屋を焼く人って意味だが、その原因となったアンディの決断も見どころである。

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◉「よみがえる光」(21)は今回もメアリーの希望が打ち砕かれるストーリー。光を感じて喜ぶメアリーに、周りもすぐに先走ってしまう。ローラは以前にエドワーズが住んでいた小屋を改装して、メアリーの新居にしようと画策する。原題はThe Enchanted Cottageで、魅惑の小屋のこと。そんな紫の家での姉妹の会話は、まさに魅惑のひと時だった。

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◉「幸せを待つ牧場」(22)は他人の冷え切った夫婦関係をチャールズが改善させるストーリー。チャールズと奥さんの関係が少し危なっかしい。マイケル・ランドンの魅力が満載で、自分で書いた脚本を珍しく演出しなかったのは、照れもあったのかもしれない。原題のSomeone Please Love Me、誰か私を愛してくださいって意味深である。

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 ◉「死におびえる町」(23)は炭疽菌に感染した町の人々を救うために、チャールズたちが奮闘するストーリーで、原題Mortal Mission(死の任務)そのもの。薬を積んだ馬車が途中で襲われるが、その強盗を演じたのがドラマ「Xファイル」でディープスロートを演じたジェリー・ハーディン。シーズン1などで描かれてきた要素をいくつか盛り込んだ内容なので少々散漫な印象を受けてしまった。

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◉「海へのあこがれ」(24)は死を覚悟した少年が夢を叶えるためにローラたちとカリフォルニアの海を目指す冒険物語で、「進撃の巨人」や「君は海を見たか」などを思い出してしまった。内容も当時ブームだった白血病の映画のようで感動的だった。ちょっと展開に無理はあったが、シーズン5の最終回にして海が出てきたことが感慨深かった。原題のThe Odysseyとは放浪冒険旅行のこと。

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これでシーズン1以来となる全24話のシーズン5を見終わった。メアリーの失明とアルバートとアダムが家族に加わることで、だいぶ雰囲気が変わってしまったが、相変わらず面白かった。前後編が3回、70分の長編も3回あり、ドラマとしてのスケールも大きくなって、まさに円熟期といった感じだった。ただ個人的にはローラとメアリーを中心とした小さな話が好きだったので、ちょっと複雑でもあった。