◉「ネリーの赤ちゃん」(13)Come, Let Us Reason Together「さあ、一緒に理由を聞かせて」
孫を巡る親同士の争いは珍しくはないが、そこに宗教が絡むと問題はより複雑になるということ。その解決策がいかにも出来過ぎ。
◉「いたずら坊主」(14)The Nephews「甥」
甘やかされて育った子供の典型みたいなアルマンゾの甥っ子は酷かった。それでも立派な大人になったのは何故なんだろう。
◉「幸せの歌」(15)Make A Joyful Noise「喜びの音を立てる」
へスター・スーの結婚式でのゴスペルが感動的だった。かつてCDで聴いていたクリスマスソングが流れるとは思わなかった。それでも歌詞はドラマにぴったり。山の頂から、救いの日は近いと告げられるのは、先住民であり、ユダヤ人であり、何よりも黒人である。そしてドラマのラストでは、歌と同じく偽善者は倒され黒人が救われることになる。
- アーティスト:デヴィッド・フォスター,セリーヌ・ディオン,タミー・ウイネット,ワイノナ,ビー・ビー&シー・シー・ワイナンズ,ジョニー・マティス,ナタリー・コール,マイケル・クロフォード,ヴァネッサ・ウィリアムス,ピーボー・ブライソン&ロバータ・フラック,トム・ジョーンズ
- 発売日: 2000/11/18
- メディア: CD
Vanessa Williams - GO TELL IT ON THE MOUNTAIN / MARY HAD A BABY (1993 TV Special)
アメリカではクリスマスの定番なのか、多くのアーティストが歌っている。当時、「9 to 5」が好きだったドリー・パートンの歌も良い。
Dolly Parton - Go Tell It On The Mountain
Dolly Parton - 9 To 5 (Official Video)
◉「ローラ先生さようなら」(16)Goodbye, Mrs. Wilder「さようなら、ワイルダー夫人」
教育方針の対立でローラが先生を辞めて、オルソン夫人が教壇に立つことになる。その結果、制服が必須となりフランス語と美術史が増える。そんなローラとオルソン夫人の対立と和解が面白かった。
◉「ある少女」(17,18)Sylvia
またしてもアルバートの恋が描かれたが、あのペンパルの少女とはどうなったのだろう。でも今回の主役はその相手の少女シルビアである。あの「わたしの赤ちゃん」でも描かれた父と娘の歪な関係が繰り返されるが、今回は望まない妊娠により事態はより深刻である。またしてもドラマ「透明なゆりかご」を思い出してしまった。
その少女を演じたオリビア・バラシュ(Olivia Barash)は映画「レポマン」に出演している。いかにも80年代的なルックスが魅力的だった。今でもそれなりに人気があるようである。
そしてアルバートに仕事を世話する男を演じたのがリチャード・ジャッケル。当時「グリズリー」を観たが、「特攻大作戦」「合衆国最後の日」など多くの映画に出演していて、いかにも危なそうな雰囲気があった。
少年の性への関心から始まって、小さな恋が悲恋に発展し、最後にはサイコ・サスペンスにもなってしまうという展開が実に面白かった。映像と音楽も当時の映画の影響が垣間見られて印象的だった。
◉「弁護士アダム」(19)Blind Justice「盲目的な正義」
弁護士になったアダムがウォルナットグローブで事務所を開業し、土地を巡る裁判の弁護を担当する。正義と人情の裁判劇としても楽しめたが、メアリーがあっさり盲学校を辞めてしまうなど、やはり少々物足りなかった。
◉「愛は永遠に」(20)I Do, Again「もう一度やる」
ローラとキャロラインが、時を同じくして妊娠を発表するが、キャロラインのは勘違いだった。閉経でもう子供が産めないと分かって悲しむキャロラインの姿が痛々しい。その心情を察してチャールズが故郷の結婚式にキャロラインを連れ出す。その思い出の地で心を回復していく過程が印象的だった。ここから二人は再出発するということである。Just married,againに笑ってしまった。
◉「愛すればこそ」(21,22)The Lost Ones 「失われたもの」
ローラとメアリーだけでなく、アルバートも大きくなってしまったので、子供の視聴者向けのストーリーが作りにくくなってきたためのテコ入れではないかと勘ぐってしまうくらい、最終回にして強引な展開だった。
普通にドラマとして良くできているが、「またか」っていう既視感が大きすぎた。シーズン2の「思い出」をトレースしただけの内容に、「もうネタ切れか」とも思ってしまった。
それでも孤児になった兄と妹が懸命に生きていこうとする姿は胸を打つ。朝ドラ「なつぞら」がそうであったようにドラマの王道である。小さなカサンドラがキャロラインに母親を重ねて抱きつくシーンは感動的だった。その大きな目と口は個性的で、キャリーと比較しても存在感は圧倒的だった。
この最終回は1982年4月3日 に放映されたが、この日にはもう東京での一人暮らしがスタートしていたので見た記憶はない。やはり日記に記述があった「ローラの結婚」をもってシリーズに見切りをつけていたようである。今回は最後まで見届けるつもりではあるが、やはり自分にとっての「大草原の小さな家」はそこまでだったようである。