シーズン8に入ってからは、なかなか見続けることができないでいる。だんだんと終わりが見えてきて複雑な思いになるが、感想を書くのは難しい。
◉「オルソンのレストラン」(10)Wave of the Future「未来の波」
◉「クリスマスの思い出」(11)A Christmas They Never Forgot「彼らが決して忘れないクリスマス」
◉「いじめっ子」(12)No Beast So Fierce「猛獣ではない」
◉「石のスープ」(13)Stone Soup
◉「子供たちへの贈り物」(14)The Legacy「遺産」
◉「愛するおじさん」(15)Uncle Jed「ジェドおじさん」
この頃になると現代的な視点が反映されてくる。「オルソンのレストラン」ではKFCの経営理念を描いたようなストーリー。フランチャイズのチェーン店がまさに未来の波だとカーネル・サンダースみたいな人が予言する。 経営を軍に例えているのは、カーネル(大佐)の名前に由来しているのかもしれない。
「子供たちへの贈り物」では冒頭に車が出てきて驚いた。放送当時の1982年にチャールズが作ったテーブルがオークションに出品される。その刻印は最初Gに見えたが、C.I.を重ねたものだった。何かを遺したいという気持ちには共感せざるを得なかった。それにしても、いつチャールズは彫り物をするようになったのだろう。そして、十字架に刻まれた年号は1885年で合っているのだろうか。
「いじめっ子」では吃音の少年とジェームズの交流が描かれるが、そこに唐突に野良犬が出てくる。それが原題の由来ではあるが、ちょっと無理のあるストーリー展開だったりする。
「愛するおじさん」ではジェームズとカサンドラのおじさんが金持ちになって再登場。最初は良い雰囲気だったのに、最後は裁判沙汰になってしまう。ここでも家族の絆を問いただす。
「石のスープ」ではキャロラインが学校で話した物語がローラの苦境を救う。真夏の過酷な暑さが伝わってくるが、前々回でクリスマスの大雪を見たばかりだったので、時系列がこんがらがってしまう。ローラの子供はいつ生まれるのだろう。
その「クリスマスの思い出」ではメアリーとアダムに、へスター・スーも加わり、クリスマスの思い出を語り合う。オムニバス形式なので、物足りないうえに、キャロラインの少女時代のエピソードが、「母さんの初恋」「メアリーの赤ちゃん」などとつながらなくて混乱してしまった。それにあの大雪の描写はやり過ぎである。それでもアメリカではこの回と大好きな「プラム・クリークのクリスマス」を収録したDVDが出ているようで、やはりクリスマスは特別なことのようである。
ついに東京オリンピックが延期になった。中止ではないにしろ、今後さらに発生する費用のことを考えると複雑である。
昨年の10月に『大草原の小さな家』の「救われた町」を見て、次のように書いた。
地震、台風だけでなく、ウィルスの脅威もある。今年は早くもインフルエンザが流行しているという。来年のオリンピックで世界中から人が集まれば、リスクも高まる。未知のウィルスが持ち込まれないとも限らない。そんな時、どんな行動が取れるだろうか。ドラマで描かれたことは、決して他人ごとではない。
この時は開催後のことを心配していたが、まさか開催前にこんなことになるとは思わなかった。それでも、どんな行動が取れるか一人一人につきつけられたのはドラマと同じである。決して英雄的な行動は取れないが、感染を広げないようにする最低限の行動は誰にも取れる。しかし、現実はそう単純ではないと改めて痛感しているところである。
このドラマではその後も何度かウィルスとの戦いが描かれた。原題がQuarantineという回もあったが、まさかテレビで見なれた文字になるとは思いもしなかった。日本のドラマでも「アンナチュラル」の初回で現在と同じような状況が描かれているように、ウィルスの脅威はいつでも身近な問題と言うことである。
そんな訳で現実がドラマのようになってしまっていては、なかなかドラマも楽しめないということである。