BSPで映画「オズの魔法使」を久々に見た。これがもう本当に面白くて、映像も音楽も最高だった。そんな小学生にも劣るような感想しか出てこないのが情けないが、年々精神状態が童心に戻っているのは間違いない。記憶ではドロシーはもっと子供だった気がしていたが、演じたジュディ・ガーランドはもう16歳で実に魅力的だった。
竜巻に飛ばされてオズの国にやってきて最初に出会うのがマンチキン。そのシュールさに圧倒させられてしまった。小人症の方々の存在感たるや、とても日本では考えられない。多くがドイツから逃れてきたというのは本当なのだろうか。ゴシップ的なネタとして彼らにジュディがいたずらされたなんて話もあるようだが、決して特別な感じがしないのが凄い。
様々な差別を描いてきた「大草原の小さな家」でもシーズン9で「小さな隣人」として登場する。出産で妻を亡くした男がサーカスの仕事を捨て銀行で働こうとするが、オルソン夫人に邪魔されてしまう。そんな偏見を自らの身体能力で打ち破る姿は感動的だった。
そんな男を演じたのがビリー・バーティで、映画「レジェンド」や「ウィロー」でも馴染みの顔だった。
「スター・ウォーズ」でもそんな彼らが大活躍するように、昔からファンタジーの世界では違和感がなかった。その男の母親を演じたスーザン・フレンチも大好きな映画「ある日どこかで」に出演している。
そんなファンタジー映画でもある「オズの魔法使」では色彩も美しい。マンチキンランドから伸びている道は黄色いレンガ道。これはエルトン・ジョンの名曲にもなっている。
Elton John - Goodbye Yellow Brick Road ( 歌詞 和訳 日本語 翻訳 Lyrics ENG & JPN )
そして緑色も印象的だ。西の悪い魔女の顔の色であり、オズのいるエメラルド・シティの色でもある。
その緑と言えばやはり「大草原の小さな家」を思い出してしまう。主題歌のOver The Rainbowで思い出すのはシーズン2の「砂金の夢」である。
ドロシーのおさげ髪はローラを連想させるし、犬のトトはジャックのようだ。「家が一番」というメッセージも共通する。そのドロシーが住んでいたカンザスはインガルス一家が最初に移住する土地でもある。そして何よりもジュディは公開の2年後に音楽担当のデヴィッド・ローズと結婚することになるのである。
映画で「ここはカンザスじゃないみたい」という有名なセリフがあるが、現実でも状況が大きく変わってしまった今、胸に響いた。とりあえず今は家が一番だと思って過ごしたいものである。