ささやかな日常の記録

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大草原の小さな家「おめでとうエミ―おばあさん」

大草原の小さな家」を繰り返し見ていると、記事には書かなかったけど気になる点がいくつも出てくる。シーズン1のお気に入りの一つである「おめでとうエミ―おばあさん」にも色々とあるが、原題と音楽について書いてみたい。

 

If I Should Wake Before I Die「死ぬ前に目覚めたら」

If I Should Die Before I Wake「目覚める前に死んだら」

上が原題だが、意味不明。普通は下のように使うだろう。寝ている時に死んでしまうことはないとはいえないので、寝る前のお祈りは必要不可欠である。

では、死ぬ前に目覚めるってどういうことだろう。それこそがこの物語の肝になっている生前葬である。

日本ではドラマなどでよく見る。最近でも朝ドラ「まんぷく」、昼ドラ「やすらぎの刻」でも描かれていたが、アメリカ映画などでは見た記憶がない。

やはり信仰が日常に根ざしている国では非常識なことなのかもしれない。チャールズとキャロラインの反応を見ても良く分かる。

それでも死ぬ前に子供に会いたいという気持ちは痛いほど分かる。80歳の誕生日のお祝いに来られないという娘からの手紙を持ったまま亡くなってしまったマディ。その姿を見たエミ―が生前葬を企てるのだが、そのヒントになったのが常識に囚われていないローラの何気ない一言だったということである。

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子供たちは、生きている誕生日には来ないのに、死んだお葬式には来る。だったら生きているうちにお葬式をやれば良いということになる。そうすれば、皆にちゃんとお別れも言える。死んでからでは遅いのである。

それは悟りみたいなもので、まさに原題のように死ぬ前に(真理に)目覚めたことになる。邦題の「おめでとう」にも別な意味が付加されてしまう。

しかし、そうした常識に縛られない行為は往々にして多くの人にとっては受け入れがたいことになるが、そうした困難を乗り越えた先には大きな喜びもあるということである。

ただ、これって天国の存在を信じている人にとっては、どうなんだろうとも思う。天国でまた会えるなら、現世でお別れを言う必要もないような気もするが、それはまた別なことなのかもしれない。

また、今回はオルデン牧師が登場しないことからも分かるように宗派も違うようである。そうなると自分の理解は超えてしまうが、マディとエミ―はそんな宗派を超えて同居していた訳だから、本質的には理解し合えるものなんだと思う。

 

そんな死を扱ったドラマでありながら、全体としてコメディタッチで笑いも満載という作劇が見事である。さらに冒頭で流れる音楽がさりげなく死を考える導入となる。

マディがオートハープで演奏していたのがフォスター作曲の「草競馬」である。

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そのオートハープも今ではボタン式になっているようだ。


オートハープで、お稽古 草競馬

小さい頃から意味も分からず歌っていたが、今でもOh! doo-dah-day!って音の響きは大好きである。


Gwine To Run All Night (De Camptown Races)-Wendell Hall


次にローラが死の歌は嫌いと言う「Go Tell Aunt Roady」は「むすんでひらいて」のメロディでお馴染みであるが、次のように歌われる。

ローディーおばさんに言っといで

年取った灰色のガチョウが死んじゃったって

おばさんが大事に置いといたガチョウ

羽毛布団を作ろうって

 なかなかブラックな歌であるが、日本では幼児向けに次のようになっている。


『きいて、ローディーおばさん』(はじめてのピアノ・アドヴェンチャーレッスン・ブックC)

自分はゲームをやらないので知らなかったが、「バイオハザード」でも使われているようだ。いかにもホラーにぴったりである。


【RESIDENT EVIL7】バイオハザード7 Go Tell Aunt Rhody 【歌詞・訳付き】

 

そしてキャロラインのリクエストで歌われたのが「ボストンへ行こう」Going to Bostonである。


Goin' To Boston | Family Sing Along - Muffin Songs

これはファミリーソングとして親しまれているようで、単純に楽しい。ローラとメアリーが歌っている姿も印象的だった。