BSプレミアムで放送された映画「夕陽の挽歌」を見た。
ウィリアム・ホールデンとライアン・オニールがコンビを組み、ブレイク・エドワーズが監督した西部劇であるが、Wikipediaには記載がなく忘れられた映画になっている。
ところが自分は、音楽がジェリー・ゴールドスミスということを知っていたので、見たい映画の一つだった。
映画の尺は2時間17分でそんなに長い映画ではないが、序曲と間奏曲が入る。ゴールドスミスのファンとしては、それだけで嬉しい限り。
ストーリーは当時のニューシネマの影響が濃く、二人のカウボーイが破滅に向かっていく姿を淡々と追っていく。
仲間の一人が馬に蹴られて、あっけなく死んでしまった姿を目の当たりにして、改めて人生を考え直す二人。その結果が銀行強盗というのも短絡的ではあるが、その犯行シーンがユニークで面白かった。大金を手にした二人だったが、子犬を連れていってしまう。途中で昔馴染みの所に寄ることになるのだが、その男に見覚えがあった。
「大草原の小さな家」のシーズン4「悲しいボクサー」で登場するジョー・ケイガンを演じたモーゼス・ガンだ。短い時間ながら、その子犬とラバを交換して、子犬に猫の乳を飲ませてやるというシーンが楽しくも印象的だった。
そのモーゼス・ガンについてはWikipediaに記事はあるものの、この映画だけでなく「大草原の小さな家」についても触れられていなかった。彼の出演回は、それだけ見ても感動的である。
それでも意外な発見はあるもので、彼の出演作品のサントラは、すべてお気に入りだった。
「黒いジャガー」
「ホット・ロック」
「炎の少女チャーリー」
「ルーツ」
映画では二人の逃避行を追っていくが、途中で雪原のシーンがある。そこで野生の馬を捕まえるのだが、音楽だけで描いたそのシーンがとても印象的だった。
ライアン・オニールと雪原の戯れで思い出すのは、当然あの「ある愛の詩」である。
オニールはその後、娘のテイタムと共演した「ペーパー・ムーン」をはじめ、「バリー・リンドン」「遠すぎた橋」「ザ・ドライバー」などに出演して、70年代を代表する俳優の一人になる。
一方のウィリアム・ホールデンは個人的に「タワーリング・インフェルノ」と「オーメン2」をリアルタイムで観ており、忘れられない俳優の一人である。