ささやかな日常の記録

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【備考】黄金の国

梅雨の長雨が続いている。日照が少ないので、野菜の値段が上がるという影響も出始めた。

そんな折、BS4Kの『大草原の小さな家』でシーズン3の最終回「黄金の国」を見た。このドラマでも長雨が続き、農作物が育たず、収入の目途が立たないという厳しい状況が描かれ、現実と重なってしまった。

それでチャールズはどうしたかというと、今回は家族を連れて砂金採掘という賭けに出る。GOLD NEWSを読んで、採れるかどうかも分からない砂金を求めて、650キロもの旅をする。家族にとっては迷惑な話ではあるが、ここに居ても仕方がないという切羽詰まった状況だったのだろう。

切羽詰まった状況と言えばGO TO トラベルもそうだ。感染は増やしたくはないが、観光業には死活問題である。実際に当地でも温泉旅館の倒産が出ている。かつては東京からの観光バスで賑わっていた町も閑散としたままだ。

こうした閉塞状況から早く抜け出したいという気持ちはよく分かる。自分でさえ、旅がしたいという気持ちが抑え切れないほどあるが、やはり今はまだ我慢の時だと思っている。

それでもチャールズはキャロラインの後押しもあって決断する。雨が降り続く中での馬車の旅は過酷である。今回も「旅立ち」同様、ジャックは馬車に乗せてもらえない。そんな雨がようやく止んで、青空が広がる大地に立った一家の姿が印象的だった。

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そんな長旅の末、ようやく目的地に着く。そこで採掘権を買い、川での採掘が始まる訳だが、そこでのエピソードは駆け足すぎて、あまり面白くない。

砂金はすぐに見つかり、その金を巡ってのゴタゴタが繰り広げられる。ローラは例によって心に傷を負った老人と知り合うが、今回はそれが悲劇を招いてしまう。その老人を演じたのがシーズン2の最終回にも登場したE.J.アンドレ

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久々に登場したカールはすっかり太ってしまい、ローラも「砂金の夢」はすっかり忘れたのか、その輝きも失せてしまった。メアリーとアリーシャの見せ場もなくて寂しい限り。

日本での初放送の時には前編後編と分けられて放送されたようで、DVDも同じ仕様だったが、今回はまとめて90分の長編として放送されて多少は見やすくなった。

それでも「旅立ち」と比べるとエピソードがゴチャゴチャしており、どうしても散漫な印象を受けてしまう。次のシーズン4から突然消えてしまうエドワーズの見せ場を無理に入れたのではないかとさえ思ってしまった。イタリア系家族だけに焦点を絞れば、まだ感動的だったかもしれない。

個人的にはインガルス一家だけが砂金を求めて冒険の旅を続けていくというエピソードを見たかった。途中でマップが出てくるが、こういうのを見ると映画「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」を思い出してワクワクしてくる。

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青いミネソタのウォルナット・グローブから少しずつ線が伸びていく。ウォルナット・グローブの下にはマンケートがあり、その下にスリーピー・アイが書かれている。

映画「レイダース」は1981年12月5日公開。これを12月23日に2時間電車に乗って観に行った。帰りにはあのマーチが頭の中で鳴り続けていたのは言うまでもない。その翌年からは新天地、東京での(冒険の)日々が始まることになる。1990年前後の東京はゴールドラッシュに浮かれた町と同様、金の欲望にまみれた、まさに「黄金の国」だった。


Raiders of the Lost Ark: Flight To The Nepal (1981) [HD]