ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

1990年の夏〜映画館の記憶

ようやく長かった梅雨も明け、真夏の暑さになった。

夏といえば海、海といえばサザンという訳で、こんな記事を読んだ。

friday.kodansha.co.jp

そういえば映画「稲村ジェーン」を観て、CDシングルで「真夏の果実」を購入したのを思い出した。映画については面白くなかったという記憶だけで、内容はまったく覚えていないが、この歌は大好きだった。

当時購入した前売券とCDが見つかった。

f:id:hze01112:20200802183807j:plain

f:id:hze01112:20200802183844j:plain

1990年9月8日公開で、会社の帰りに上野東宝で観たが、疲れた体には酷な映画だった。

ビートたけしが酷評したとのことだが、同じ頃に北野武督第2作「3-4X10月」が公開されており、こちらは上野松竹で観ている。変な映画だったが石田ゆり子がヒロインで意外に楽しめたことを覚えている。

f:id:hze01112:20200802183919j:plain

しかし、「稲村ジェーン」は大ヒットし、「3-4X10月」は惨敗で、自分の映画を観る目の無さに落ち込んだものである。

それでも、以後「あの夏、いちばん静かな海。」「ソナチネ」「HANA-BI」「菊次郎の夏」と見続け、そのサントラを聴くとあの頃の夏が鮮やかに甦る。この年の夏には松島と笹川流れ、そして小樽と函館に出かけている。

 

あの頃、こうした異業種からの監督進出と共に、一般企業からの投資目的の映画制作も多かった。大量の前売券が出回り、映画館も賑わっていた。

当時の日記には次のように書かれている。

7月24日(火)

18:50より丸の内松竹にて「クライシス2050」を観た。SFXにリチャード・エドランドを起用しているのにリアリティに欠け、まるで緊迫感のない凡作だった。学研とNHKエンタープライズが制作したということで、あの「天と地と」同様、大量の前売券が出回っているらしく、普段映画など見ないような連中がタダだから来たというノリで騒いでおり、不愉快極まりなかった。

f:id:hze01112:20200802195302j:plain

もう、30年も昔のことであるが映画館の記憶は鮮明だ。それなのに今年は映画館どころか、海にも気楽に行けない夏になってしまった。

 

今夜、BS4Kでは昨年の長岡花火の録画を 放送している。ゲストの一人が大和田伸也。まさか今年4月、弟(獏)の嫁(岡江久美子)が亡くなってしまうなんて夢にも思わなかったことだろう。

今、「天と地と」にも重なる「天地人」花火が打ち上がった。脚本は最低だったが、キャストと音楽は最高だった。ヒロインは常盤貴子で、この長岡花火が大林宣彦監督との出会いをもたらした。その遺作となった「海辺の映画館―キネマの玉手箱」もようやく7月31日に公開された。


大林宣彦監督『海辺の映画館-キネマの玉手箱』予告編