ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

「新・大草原の小さな家」(シーズン9)

大草原の小さな家」のDVDもシーズン9に突入した。ここからは題名にも「新」がつくように、インガルス家の物語から、ローラとアルマンゾを中心としたワイルダー家の物語にシフトする。もはや書くこともなくなってきたので、ドラマの内容にあまり関係なく、適当に書いていく。

初回は「父の死を乗り越えて」という邦題だったので、チャールズのことかと思ったがアルマンゾの兄のことだった。シーズン7の「いたずら坊主」で登場した時には男の子二人の父親だったのに、今回は娘になっていて妻とも死別しているとのことで頭が混乱してしまった。

(ここまで書いて、半年が過ぎた・・・)

 

もう、初めの頃のエピソードは忘れてしまっているが、BS4Kでの放送はまだまだ先になるので思い出せる範囲で書いてみようと思う。

◉「父の死を乗り越えて」(1,2)Times Are Changing 「時代は変化している」

原題通り、インガルス一家は都市に移住し、かつての家にはカーター一家が住むことになり、ドラマ自体も大きく変わってしまった。アルマンゾ兄の設定変更からも分かるように、これは似ているけど微妙に違うパラレル・ワールドの物語である。

◉「町長夫人?」(3)Welcome to Olesonville「オルソンビルへようこそ」

(焼失したはずの)故ハンソンの屋敷から町の債権が見つかったことで、町が二分される。その騒動の原因はオルソン夫人でシーズン1の「ジョーンズおじさんの鐘」を思い出した。

◉「幼い命を」(4)Rage「怒り」

借金により常軌を逸してしまった男がローラとローズを人質にしてしまう。その男を演じたのがロバート・ロジア。「スカーフェイス」「ビック」「インデペンデンス・デイ」など多くの映画に出演している。

◉「小さな隣人」(5)Little Lou「小さなルー」

この回については以下の記事で書いている。

hze01112.hatenablog.com

 ◉「愛は救う」(6、7)The Wild Boy 「野生児」

見世物小屋の狼少年を救うストーリー。映画「エレファントマン」を思い出した。外見は普通だが、モルヒネ中毒にさせられて凶暴になっていたということ。このモルヒネの恐ろしさについては「再出発」の回で再び描かれることになる。

◉「里帰り」(8)The Return of Nellie「ネリーの帰還」

この回についても以下の記事で書いている。

hze01112.hatenablog.com

 ◉「鉄道が来る」(9)The Empire Builders「グレート・ノーザン鉄道が運行した、代表的な大陸横断列車」

これまでも鉄道建設については描かれてきたが、ついにウォルナット・グローブに駅ができることに・・・。その用地買収を巡る騒動については、今も昔も変わらない。

◉「愚かな恋」(10)Love

これはちょっと気持ち悪い。これがベイカー先生なら分からないでもないが、エドワーズは違う。キャラが変わりすぎ。映画「街の灯」を思い出した。

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◉「若い牧師」(11)Alden's Dilemma「オルデン牧師のジレンマ(板挟み)」

2本立てのギャグ回。1つは若い牧師を巡るエドワーズの妄想が炸裂する。前回のピュアな気持ちはどこへいった・・・。一方でアルマンゾは農民組合の集会でサンフランシスコに出かけ、そこで悪夢の一夜を過ごす。当時、日本人の移民のための旅館はあったと思うが、これはちょっと・・・。

◉「最後の患者」(12)Marvin's Garden「マーヴィンの庭」

ジェニーがまたも溺れてしまい、酸欠により言語障害等が残ってしまう。そのリハビリと老医師との交流が描かれる。そのストーリーは感動的ながら、今さらベイカー先生以外の医者がいたと言われても・・・。黒人の先生もどうしたのだろう。

◉「父の罪」(13)Sins of the Fathers

ドラマではたびたび老いた父親が登場するが、だいたい母親より長生きで頑固である。今回も一流の新聞社の社長である父親が娘の元を訪れて騒動が起こる。それにしてもオルソン夫人のゴシップ好きは、もはや犯罪レベルである。

◉「悪党3人組」(14)The Older Brothers

あの「ボナンザ」の使い回しのストーリー。もうマイケル・ランドンも投げやり気味だったのかもしれない。ドラマにはヤンガー兄弟が登場するが、原題はそれを皮肉ったものだろう。時代遅れの古びた悪党ということである。

◉「最初の本」(15)Once Upon a Time「昔々」

ローラが作家になると書くのはネタバレになるのだろうか。先日のテレビ「サワコの朝」で次のようなやりとりがあった。

www.sanspo.com

ネタバレについては一概には言えないものの、難しいところである。ローラが作家になるというのは、オープニングのクレジットを見れば分かることではあるが、それをネタバレに思う人もいるかもしれない。

この回では、その最初の一歩が描かれた訳だが、実際に出版されたのは、それから40年後のことである。この回が初放送されてから、まだ40年たってないことを思うとずいぶんと長い気がする。それが実現するエピソードも見てみたい。

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原題は大好きで、そのタイトルのドラマもあったが、レオーネとタランティーノの映画も忘れられない。

◉「再出発」(16、17)Home Again

チャールズとアルバートがウォルナット・グローブに戻って来るというだけで必見のエピソードだが、頭の中は???だった。薬物(アルコール)中毒の恐ろしさは「ジョンおじさんの悲しみ」(シーズン1)、「兵士の帰還」(シーズン2)という傑作があるし、「愛は救う」で描かれたばかり。それでも愛されキャラの転落は衝撃的で、青少年に薬物の恐ろしさを伝えるには十分だったかもしれない。

それでも現実は変わらず、先日も伊勢谷友介が逮捕されたばかり。現代社会の問題に迫ったドラマ「MIU404」でも描かれていた。

◉「誤診」(18)A Child with No Name「名前のない子供」

ローラに長男が誕生するが、元気だったものの突然死してしまう。「ローラの祈り」でも描かれた辛いエピソードであるが、物語の方向性はまったく違う。こちらは、その悲しみを恩人でもあるベイカー先生に向けてしまうという酷いストーリーになっていく。

◉「最後の夏」(19)The Last Summer

シーズン2の「思い出」のメロディが流れてきた時に、すべてが分かってしまった。それでも、こうしたストーリーには感動してしまう。少年にとっても忘れられない夏の思い出。湖で読む手紙も印象的だった。

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◉「困った子」(20)For the Love of Blanche「ブランチの愛のために」

バッファロー・ビル(?)から託された3歳の娘のために奮闘するエドワーズを描いたストーリー。マイケル・ランドンの演出はコメディに軸を置いているが、感動的でもある。相変わらずオルソン夫人とナンシーは酷い。

◉「新郎は16歳」(21)May I Have This Dance?「一緒に踊っていただけますか」

邦題の新郎とはウィリーのこと。母親の反対を押し切って結婚したウィリーが凛々しい。父親と店の倉庫で語り合うシーンも印象的だった。原題は意固地な妻に対するオルソンの優しさのことでもある。一方、ローラは遺言として豪邸を譲り受け、下宿を開業しようとする。

◉「見知らぬ父」(22)Hello and Goodbye

シーズン9の最終回も父親の贖罪を描いたストーリー。亡き母親の聖書が救済をもたらす。ここでまた突然「愛は救う」のマシューとその父親が登場。いったい、どこにいたのだろう。そこで育ての親ともいえるエドワーズの気持ちが揺れる。結局、シーズン9とはエドワーズが主役みたいなものだった。最後もタッカー爺さんのテーマで締めくくられる。

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エドワーズの孤独

一方、新たにモンタギューという才ある変人がローラの下宿に住むことになる。新たなシーズンのための投入だったと思うが、残念ながら次はなかった。ベイカー先生を治療するシーンなども最高だっただけに惜しい。

原題のHello and Goodbyeといったら、やはりビートルズである。


The Beatles - Hello, Goodbye