筒美京平が今月の7日に80歳で亡くなった。ジャンルこそ違うが、その音楽の質と量からエンニオ・モリコーネを思い出してしまった。
筒美が手掛けた歌で最大のヒットが1979年の「魅せられて」であるが、個人的にも忘れられない歌の一つである。
元々はワコールのCMソングであったが、映画「エーゲ海に捧ぐ」の映像が使われていたので、映画のイメージソングのようでもあった。
1979年4月に公開された映画を観たのが6月18日だった。当時の記録には次のように書かれている。
なんてことはなく、初めから裸女が出てきて、全編そんな感じ。ストーリーなんて関係なく、そんなシーンだけで楽しめる。映像は評判通り美しく、エーゲ海のシーンは素晴らしい。何より、エンニオ・モリコーネの音楽が良かった。
男子高校生には裸の女性が見られれば十分ではあるが、それにプラスして美しい映像とモリコーネの 音楽に魅せられたものである。
当時はまだ筒美京平という名前は知らなかったが、ここで「エーゲ海」と「魅せられて」と「モリコーネ」が結びついてしまった。
ジュディ・オングの歌はエキゾチックでカラフルで、何とも魅力的だったが、モリコーネのサントラもアンニュイでエロティックで素晴らしかった。
Ennio Morricone 映画 「エーゲ海に捧ぐ」 エーゲ海のリーザ Lisa del mare Egeo
エーゲ海については、ギリシャ出身のヴァンゲリスの音楽に親しんでいたが、後に彼が所属していたバンド、アフロディス・チャイルドを知り、ますます好きになっていった。
Aphrodite's Child - Aegean Sea
翌年の1980年には近藤真彦がデビュー曲「スニーカーぶる〜す」を歌い大ヒット。当時はドラマ「3年B組金八先生」を夢中で見ていたが、特にマッチのファンという訳ではなかった。それでもしっかりと耳に残っているのが凄い。ジャニーズ関連だと少年隊の「君だけに」(1987年)が大好きで、勢い余ってカラオケで歌って失敗した苦い思い出がある。
「スニーカーぶる〜す」の作詞は松本隆。その松本が薬師丸ひろ子のアルバム「花図鑑」で筒美と組んだ歌に「麦わら帽子のアン」がある。
薬師丸ひろ子「麦わら帽子のアン」 from album "花図鑑" 1986年6月 [HD 1080p]
このアルバムに収録されている歌はすべて好きだが、「赤毛のアン」も好きなだけに個人的には特にお気に入りである。先日NHKで放送された「アンという名の少女」にも帽子に花を飾るシーンがあった。「大草原の小さな家」でもシーズン3からメアリーが教会に行く時に被る帽子が素敵である。
「大草原の小さな家」ではメアリーとローラの恋から、「木綿のハンカチーフ」と「センチメンタルジャーニー」を思い出している。
そして、ベイカー先生のロマンスから、「ロマンス」について書いている。
やはり、筒美作品と恋は親和性が高い。大学生になって上京してからの日々はまさに恋の季節だった。特に1984年は忘れられない年で、朝ドラ「あまちゃん」でも印象的に描かれている。天野春子が聴いていた楽曲は自分の青春も彩ってくれたものである。
そんな「春子の部屋」に収録された歌の中で筒美作品は以下の通り。
<ソニー>
◉魅せられて
◉情熱☆熱風☽せれなーで
◉21世紀まで愛して
<ビクター>
◉卒業
◉まっ赤な女の子
◉チェック・ポイント
その中でもやはり斉藤由貴の「卒業」は忘れられない。
そんな思い出は尽きない。