自分の趣味の買い物は自分への贈り物でもある。そんな買い物を今年はほとんどしなかった。昨年の11月にAmazonで4Kテレビと「大草原の小さな家」のDVDボックスを購入して以来、今年は一度もAmazonを利用しなかった。とりあえず、その二つの物で満たされてしまった。4Kテレビで新しい「大草原」を見て、DVDで懐かしい「大草原」を見続けた。それはまさに贈り物に相応しいもので、このコロナ禍の中でささやかな楽しみであった。
そんな「大草原」の邦題に「贈り物」という言葉が付いたエピソードが3回ある。
シーズン2「愛の贈り物」The Gift
シーズン4「すばらしい贈り物」A Most Precious Gift
シーズン8「子供たちへの贈り物」The Legacy
それぞれ贈り物の中身は違うが、その贈り物への思いが伝わってくる。12月と言えばクリスマスもあり、そこにも「贈り物」のエピソードが感動的に描かれている。
そして今回、BS4Kでシーズン4の「すばらしい贈り物」を見た。原題では最も貴重な贈り物となっているように、それはインガルス家の四女グレイスの誕生のことである。まさに子供こそ天からの授かりものであり、まさにA Most Precious Giftということである。
史実ではグレイスの誕生日は1877年5月23 日で、長男が亡くなった翌年に誕生しているが、ドラマでは4年後の1880年に変更されている。これがシーズン5以降(養子などの)フィクションが強化されることの発端だったのかもしれない。
キャロラインがチャールズのために男の子を願う気持ちは痛々しく、あの「ローラの祈り」の前半のエピソードを思い出して切なくなってしまった。そんな切実な思いから、占いにも引き寄せられてしまうのは今も昔も変わらない。あのキャロラインが占いの費用を「たったの10セント」と言ってしまうほど追い詰められていたということである。
その占い師マダム・マリアの吹替が片岡富枝。見てない人には分からないことだが「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」のリディアおばを思い出してしまう。切実に子供を欲しがるウォーターフォード夫人はキャロラインに重なってしまう。そして何よりも片目を失ったジャニーンの吹替が清水理沙だということ。いよいよ次回、メアリーに同じような悲劇が訪れるが、この声のキャスティングは絶妙である。
その悲劇を前にメアリーはシムズ先生の代わりを務めるために髪をキャロラインと同じようにする。その笑顔を見ていると早くも胸が締め付けられるようだった。
学校で産気づいたシムズ先生は男の子を産み、ウォルナット・グローブの住民は128人となる。