新たにレギュラーになったアダムとアルバートの有能さが印象的なエピソード(シーズン5)。それだけにローラとメアリーは彼らをただ見守るだけの存在になってしまう。
アダムが登校拒否の生徒に対して、どのような指導をするのかが見所でもある。問題は生徒だけではなく父親にもあることを自らの経験から見抜いていくところは印象的である。その負の感情を吐露することで現状を正しく認識させる方法論は今でも有効である。
ドラマ「Glee」ではLGBTを巡る父と息子の関係が同じように描かれていた。どちらもその事実から目を背けていたということである。そんな父親像はシーズン1の「オルガの靴」でも描かれていたが、今回もシーズン3の「穴に落ちたキャリー」での飲んだくれの技師役に続いて登場したジョン・アイアランドによって印象的に演じられていた。
そして(暗算が得意で)頭の切れるアルバートはフットボールの試合に勝つために策を弄する。そんなフットボールの練習シーンではプロのアメフト選手だったガーベイ役のマーリン・オルセンがルールブック片手に指導する姿が可笑しかった。
そこにアダムの策略でとても15歳に見えない登校拒否の生徒が加わり、少しずつ自信を付けていくことになる。そして試合当日のファインプレーにつながる。
アメリカに初めて英国のフットボールが紹介されたのは1867年とのことだが、ドラマで描かれた1880年にここまで普及していたかは分からない。ただ今ではアメリカでもっとも人気があるスポーツになったということが重要で、ドラマでもシーズン7の「がんばれアルバート」で再び描かれることになる。
それだけに映画でも多く描かれており、ドラマが放送中だった1970年代には「ロンゲスト・ヤード」「ジョーイ」「天国から来たチャンピオン」などを観ていて忘れられない。
その他にも1994年6月公開の「ルディ/涙のウイニング・ラン」と1997年5月公開の「ザ・エージェント」は個人的に大好きな映画である。
でも、やっぱり一番印象的なのはメアリーであることに変わりはない。