ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

小さなYeah2〜首斬り

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シーズン3「こわい夢」より

首飾りと首斬り。漢字一文字の違いなのに受ける印象は大きく異なってしまう。美と醜、まさに似て非なるものである。

お皿の上にはオルソン夫人の首。ハロウィンの夜にオルソンが夫人の首を斬るところを目撃したローラ。メアリーに話しても信じてもらえず、悪夢を見ることになる。その悪夢の描写がなかなかシュールである。

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ウォルナット・グローブのモンスター?

この回はこれまでの放送と大きく趣きが異なるので、初めて見た視聴者は戸惑ったに違いない。ある意味、ドラマを見続けるにあたっての試金石みたいなもので、これを素直に楽しめるかどうかでドラマに対する気持ちも変わってくるような気がする。

個人的には最初こそ戸惑いがあったが何度も見るうちに楽しくなってきて、今では何の抵抗もなくなってしまった。制作側もこの回が受け入れられたことで安心したのか、良くも悪くも過激なシーンが増えていくことになる。

それでも今ではこの程度の描写でも地上波では放送が難しいかもしれない。昔の大河ドラマでは普通に描写されていた晒首のシーンなど今ではほとんど見られなくなってしまった。何も好き好んで見たいわけではないが、歴史的事実として知っておく必要はあるのかもしれない。今でも「黄金の日日」での衝撃的な処刑シーンは忘れられない。次回が最終回の「麒麟がくる」では光秀の最期をどのように描くか楽しみである。

この回でも首は重要なモチーフとして最後までドラマを牽引する。ホラー映画でよく見る首が転がるシーンも描かれる。これを不謹慎だと怒る人にはドラマを楽しむことは難しいだろう。冒頭、ローラがキャリーに読んでいるスリーピー・ホロウも、首を斬られた騎士が首なし騎士として復活する物語である。ローラが見る夢も「悪夢のオルゴール」ではより過激に描かれて、処刑台まで登場することになる。その怯えるローラの表情も印象的である。

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 なお、首切りは今でも解雇などの意味で普通に使われており、このコロナ禍において怯えている人も多いことだろう。そんな人々を助けるのが政治なのに、国民に自粛を要請しておきながら自らは特権意識で飲み歩いている議員こそ首切りである。