ささやかな日常の記録

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映画「ある日どこかで」(新録吹替版)

映画「ある日どこかで」を久々に見た。もう何度も見ている大好きな映画ではあるが、今回はクリストファー・リーヴの声をささきいさおが新録したということでBSテレ東での放送を見たということである。その若々しい声はとても78歳とは思えなかった。これだったらドラマ「大草原」のシーズン3「にせの牧師さん」でのジョニー・キャッシュの新録もできたような気がする。今の彼の声で「マイ・ボニー」の歌をもう一度聞きたかった。

この映画の美しいヒロインであるエレーズ(ジェーン・シモンズ)の晩年を演じたスーザン・フレンチは「大草原」のシーズン9「小さな隣人」にも出演している。冒頭、懐中時計を手渡し「帰ってきて」と懇願した後でホテルに戻り、ラフマニノフのレコードを聴くシーンは、何度見ても胸が締めつけられる。


Somewhere in Time (1980) - Come Back to Me Scene (1/10) | Movieclips

その若き日のエレーズのセピア色の写真を見つめるリーヴの姿は「大草原」のシーズン2「おばけ屋敷」に登場する老人に重なってしまった。その「おばけ屋敷」ではかつての女優を知る劇場の男が登場するが、本作にもかつてのエレーズを知る女性が登場する。それが「ミニヴァー夫人」や「疑惑の影」で印象的だったテレサ・ライトというのだから堪らない。その役名はローラである。

1912年の服を着たリーヴの佇まいは、1994年に公開された「若草物語」にローリー役で出演したクリスチャン・ベールに似ていると思った。この二人で「バットマンVSスーパーマン」を妄想してしまった。

そして今月5日に91歳で亡くなったクリストファー・プラマーもマネージャー役で出演しており、そのエレーズに対する屈折した愛情が印象的だった。吹替はこちらも大ベテランの羽佐間道夫。ささきとは吹替でシルベスタ・スタローンを分け合っているが、映画の中ではエレーズを巡って対決することになる。

そのエレーズを演じたジェーン・シーモアは本作以外ではやはり「007/死ぬのは奴らだ」のボンドガール役が忘れられない。今回の吹替はワンダーウーマンこと甲斐田裕子

監督のヤノット・シュワルツは本作以外に「ジョーズ2」「スーパーガール」も監督しており、それぞれ大好きなジョン・バリージョン・ウィリアムズジェリー・ゴールドスミスが音楽を担当している。

特に本作でのバリーの音楽はラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」にインスパイアーされたかのような美しい旋律でいつまでも心に残り続ける。


Somewhere in Time Official Trailer #1 - Christopher Reeve Movie (1980) HD

日本での公開は1981年1月。「スーパーマン」の公開が1979年6月で、その続編が1981年6月に公開されており、どちらも地元の映画館で観ているが、本作のことは当時は知らなかった。それをいつ知ったのか記憶は定かではないが、大林監督の話に出てきたので文芸坐で観たような覚えがある。それでバリーの音楽に魅せられて、サントラをCDで購入して繰り返し聴くことで、ますます好きになっていったようである。

元々タイムトラベルもののSFが好きだったこともある。小学生の頃にはもう筒井康隆の「時をかける少女」は読んでいたし、少年ドラマシリーズの「タイムトラベラー」にも夢中になった。大林監督の「時をかける少女」はもう何回見たか分からない。音楽とともに切ない気持ちになるのは本作と同じである。

ある日どこかで オリジナル・サウンドトラック

ある日どこかで オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト:サントラ
  • 発売日: 2002/10/23
  • メディア: CD
 
ある日どこかで (字幕版)

ある日どこかで (字幕版)

  • 発売日: 2015/03/04
  • メディア: Prime Video