この時期にしては強い寒気の影響で不安定な天気が続いている。さらに今朝は季節外れの寒さで起きるのが大変だった。
そんな寒い時に思い出す歌に「北風小僧の寒太郎」がある。起きてテレビをつけたら偶然にもその歌が流れてきて、思わず見入ってしまった。
堺正章の歌で知られているが、その作詞をした井出隆夫が、山川啓介の本名ということは知らなかった。多くのヒット曲があるが個人的には1979年にゴダイゴが歌った映画「銀河鉄道999」とNHKが「未来少年コナン」の次に放送した「キャプテン・フューチャー」の主題歌が忘れられない。
あの筒美京平が作曲して西城秀樹が歌った「勇気があれば」と「悲しき友情」も印象的である。
長野県佐久市出身で、北風が電信柱に当たって響く音を「ヒューン、ヒューン、ヒュルルンルンルンルン」と表現するセンスは見事である。
この歌は1974年から「みんなのうた」で放送されたとのことだが、自分の記憶にあるのは背景もすべて月岡貞夫のアニメになった1977年以降のものである。それこそドラマ「大草原」とセットで覚えているといっても良い。
そのアニメには新潟の日本海から越後湯沢を通り、三国峠を越えて東京に出て行く過程が印象的に描かれている。これは新潟出身の月岡が車で上京するルートそのものとのこと。
アニメの中では寒太郎の見事な剣さばきも描かれているが、実家が副業として芝居小屋をやっていたおかげで、小さい時からしっかりと観察していたとのこと。
月岡といえば手塚治虫や3月に亡くなった大塚康生との親交でも知られているだけに、自主制作アニメだけでなく商業アニメももっと見たかった。
それでもマイペースで仕事を続けることができたおかげなのか、81歳の今でもお元気そうで何よりである。
なお、作曲者の福田和禾子が師事した一人がいずみたくで、いずみと山川が組んだ歌で忘れられないのが青い三角定規の「太陽がくれた季節」である。
ちなみに雪国の冬は太陽がほとんど出ない太陽が暮れた季節でもある。人生においても青春は太陽が呉れた季節であるが、これからは太陽が暮れた季節に向かっていく。
それは仕方がないことだが、今年の冬のように大雪に見舞われることなく穏やかに過ごせることを願うばかりである。