ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

「おかえりモネ」と最近のドラマ

6月になっても頭のぼんやり感は継続中で、何もやる気になれないままだ。どうやら季節の変わり目で自律神経がおかしくなっているようだ。とにかく長時間じっとしていられないので映画を見ることも、音楽を聴き続けることも難しい。そのため、ドラマを少しずつ見ている。

朝ドラ「おかえりモネ」が最高に面白い。清原果耶演じるヒロイン百音の日常を丁寧に描いており、これぞ4Kで見る価値のあるドラマである。それだけにドラマティックな展開は抑えられており、次回へのつなぎも弱い。

今週は早くも震災が描かれたが、これも回想としてあっさりと終わってしまった。ここで印象的だったのは、その時にそこに居なかったことで何かを失ってしまったかのような心情。それを清原が繊細に演じており、目が離せない。

視聴率は17%台で推移しているが、今ではBSで見ている人も多いだろうから、あまりあてにはならない。正直、4Kで見てしまうと地上波を(録画してでも)見たいと思えなくなってしまう。

これはドラマと言うより、震災を経験した普通の少女の日常を追ったドキュメンタリーに近いような気もする。だから、そのまま「こころ旅」にすんなりと入っていける。

それでもドラマ的な面白さがない訳ではない。個人的には蒔田彩珠演じる妹の未知が気になる。「大草原」で言えばモネはメアリーで、ミーちゃんはローラ的なポジションになる。

どうやら未知はモネの同級生である漁師の亮が好きなようだが、もし亮がモネのことを好きだったら面白い。あの「透明なゆりかご」での共演が忘れられないだけに、姉と妹の確執を見てみたい。

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そんな女子高生を演じている蒔田は2002年8月7日 生まれで、清原が2002年1月30日生まれだから、年は同じだが学年が一つ下になる。

 

「おかえりモネ」で描かれた彩雲が印象的だったのが、「透明なゆりかご」の第9話「透明な子」で、その演出をした鹿島悠が参加したドラマ「きれいのくに」も女子高生が魅力的に描かれていた。

その中の一人を演じた見上愛は「MIU404」にも出演していたが、蒔田と同じような雰囲気があって実に魅力的だった。ドラマではそんな顔を整形しようとする心の葛藤が繊細に描かれ、現代の病理を見事に浮かび上がらせていた。

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整形が一般化した近未来を舞台にしたSFでもあり、冒頭では高校生が見ている啓発ドラマがそのまま描かれた。そこでヒロインを演じていたのが吉田羊で、彼女が若返って蓮佛美沙子になってしまうところで、ハマってしまった。

蓮佛と言えば個人的にはNHKで2008年に放送された「七瀬ふたたび」のヒロインが忘れられないが、朝ドラ「べっぴんさん」でのヒロインの姉役も良かった。その時のヒロインが芳根京子で、芳根とは映画「記憶屋」でも共演している。

その芳根が主演のドラマ「半径5メートル」では、芳根と永作博美とのコンビネーションが最高である。前後編で放送された「黒いサンタクロース」はクリスマスの小さな話が議員のセクハラを告発するという社会派のネタにまで拡大していく過程がスリリングだった。

日常ネタと芸能ネタと政治ネタが一人の男で交錯するという面白さ。その男を演じたのが緒形直人。たまたま「北の国から '89帰郷」を見直したばかりだったので、その時間の経過をリアルに感じてしまった。

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蛍を演じた中嶋朋子は今日が誕生日で50歳になったばかり。先日、シェークスピアの特集番組に出演していたが、「北の国から」での女子高生姿は最強である。永作博美は一つ上であるが1970年10月14日生まれなので、今は同じ年ということになる。

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ドラマはまだ3話残っているので、今後の展開も楽しみである。このドラマの制作統括である勝田夏子は土曜ドラマ「今ここにある危機とぼくの好感度について」も制作しており、こちらも最高に面白かった。

脚本は渡辺あやで以前に書いた「ワンダーウォール」の現代版的な趣もあったが、リアルな社会問題に斬り込んだブラックジョーク的な面白さがあった。演出の柴田岳志と音楽の清水靖晃は「透明なゆりかご」でもコンビを組んでおり、今回も4Kでの映像と5.1サラウンドによる音楽は見事だった。

ヒロイン的な存在だった鈴木杏も実に魅力的で、その鈴木を好きになっていく主人公を演じた松坂桃李の演技も最高に可笑しかったが、その結論は「愛こそすべて」ということ。

それは松坂が同時に出演している「あのときキスしておけば」も同じである。毎回、大いに笑わせてもらっているが前回のラストで転調の予感がして、その魂の行方が気になるところ。大石静の脚本では朝ドラ「ふたりっ子」も最高で、月曜日の再放送も楽しんでいる。

その翌日には「大豆田とわ子と三人の元夫」があり、こちらも久々の坂元裕二の脚本に魅せられているところである。これが大人の会話劇だとしたら、「コントが始まる」は若者の会話劇で素晴らしい。こちらにも出演中の芳根京子の可愛らしさときたら、もう最高である。まだまだ制服姿も大丈夫で、蒔田彩珠と見上愛と共に魅せられているところである。

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