今年も早、残り半分となった。
例によって「何にもできなかった」と溜息が出る。
朝ドラ「おかえりモネ」でも、より深刻な意味でヒロインが語っていたのが印象的。
先週は百音が両親の友達のために大きなテーブルを作る姿が描かれた。
大きなテーブルは暖かい家庭の象徴でもある。
ドラマ「半径5メートル」でも家庭において大きな存在だったテーブルを巡る悲喜劇が描かれた。
妻はそれを断捨離するが、夫はその思い出を捨てきれない。
「大草原」の小さな家の中でも、テーブルは大きなウェイトを占めている。
食事だけでなく、子供たちはそこで勉強もする。そこで交わされる父親と娘の会話に魅せられたものである。
そんな理想的な父親を演じたマイケル・ランドンは30年前の今日、54歳の若さで亡くなった。
存命ならばクリント・イーストウッドより若かっただけに、もっと多くの作品を見たかった。
「大草原」のシーズン8「子供たちへの贈り物」の回ではチャールズの作ったテーブルがレガシーとして現代まで受け継がれることになる。そこには愚直なまでの職人魂がある。
いよいよ今月に開幕する東京オリンピックもそんなレガシーになるはずだったのに、その現状は見ていられない。
夢の舞台が悪夢にならないように祈るばかりである。
悪夢といえば、30年前の今日がそうだった。関西方面への出張で、その日の夜は難波で過ごしていた。
ちょっと時間があったので映画館に入って、観たのが「羊たちの沈黙」だった。
映画がはねて外に出たら、そこは歓楽街。映画の闇から抜けられないまま街を彷徨い歩いた。
そこで経験したことは映画とともに忘れられない記憶である。
その後に購入したサントラCDも、まさに悪夢の音楽にふさわしく、漫画を読む時のBGMとしては最適だった。
ホラー映画が好きだったランドンは、この映画を観たらどう思ったことだろうか。
信仰の物語でもある「大草原」には羊という言葉も多く出てくるし、こうしたサイコ・ホラーのようなエピソードも描かれている。