BS4Kでシーズン6の「メアリーの奇跡」を見た。相撲のある時は、6時10分からの放送になるので落ち着いて見られるのが嬉しいが、来週からはオリンピック中継のためしばらく(シーズン6の)放送はないようである。
それにしても開幕直前になっても、まるで気分が高揚しないオリンピックって初めてである。今はアスリートの活躍よりも、メアリーとローラの活躍を見ているほうが楽しい。
そんなメアリーの雄姿が見られる「メアリーの奇跡」はストーリーとしては相当に無理はあるが、映像的には見所満載である。
メアリーとアダムの乗った駅馬車が途中で転覆してしまう。アダムは足を挟まれて動けず、奇跡的に軽傷だったメアリーが助けを求めてその場を離れることになる。
これを見ているとシーズン1の「ジョーの約束」とシーズン3の「祈りの森」と共に、先日見直したばかりの映画「ポセイドン・アドベンチャー」を思い出してしまう。
転覆した船と馬車から生きるために前進する姿は、どちらも感動的ではあるが、信仰心への力強いメッセージでもある。
メアリーが持っていた眼鏡によって点火することは普通では考えられないが、生きるための強い意志を持って行動したメアリーに奇跡が起こったということであろう。
映画でジーン・ハックマンが演じた牧師の説教が印象的だ。
自分の中の神に祈り
戦う勇気を持つのです
神の望みは勇敢な魂
敗者ではなく勝者です
大事なのは勝つ努力だ
意志の強さを神に見せるのです
自分と愛する人のために戦う決意を
あなたの中の神が共に戦ってくれます
映画でも、そんな牧師に導かれ、前進した人に奇跡が起こる。ドラマではメアリーの奇跡によって、アダムと同乗した妊婦が救われることになる。
そんな映画「ポセイドン・アドベンチャー」は、残念ながら映画館では観ていないが、テレビでは吹替でも度々見ているくらい大好きな作品である。
この映画にはドラマ(シーズン1)にゲスト出演している俳優が二人、重要な役柄で登場している。
ニューヨーク市警の刑事マーク・ロゴ役のアーネスト・ボーグナインと雑貨屋の店主ジェームズ・マーティン 役のレッド・バトンズである。
大草原の「ローラの祈り」でローラに神の意志を伝えるジョナサンを演じたボーグナインは、映画では強引な牧師とことごとく対立するが、最後には皆を導く存在になる。
「サーカスのおじさん」では偽の秘薬で人々を惑わす孤独な男を演じたバトンズは、映画でも薬を持ち歩き、仕事一筋で恋人もいない中年男を演じている。
それぞれのキャラクターが映画とドラマで重なるのが面白い。実直な堅物とマメなムードメイカーといったキャラクターが存在感たっぷりに演じられて印象的なのは、さすがにアカデミー賞受賞の名優だけのことはあると改めて思った。
この映画を初めてテレビで見たのが中学生になった1976年のことで、10月11日に月曜ロードショーで初放送されたのを見ている。この時の吹替は富田耕生と羽佐間道夫で、特に「リンダ!」という叫びは富田の声で記憶されている。そのリンダの声は小原乃梨子だった。
映画の公開は1973年3月だったが、この時の記憶はない。この後、1975年6月に公開された「タワーリング・インフェルノ」を映画館で観て、その時にパンフレットを購入して知ったのが最初だったと思う。
それからはプロデューサーのアーウィン・アレンという名前が刻まれてしまい、彼が監督した「スウォーム」と「ポセイドンアドベンチャー2」も映画館で観ている。一般的は駄作扱いではあるが、それなりに見所があって当時は夢中になったものである。
ドラマでもローラとアルバートの策略でオルソン夫人とネリーがミツバチに襲われるシーンが描かれたが、当然「スウォーム」を思い出してしまった。それでもドラマのように日本ミツバチの養蜂は意外に簡単なようで、さほど危険はないみたいである。
監督のロナルド・ニームはその後「メテオ」を撮るが、「アルマゲドン」などの先駆的作品ながら、やはり駄作認定されてしまっている。この「メテオ」と「ポセイドンアドベンチャー2」を1980年の年初に続けて映画館で観たが、当時のメモには「もう、パニック映画の時代は終わったようで、この手の好きな自分は残念である」と書いている。
個人的には、映画で牧師に恋する少女を演じたパメラ・スー・マーティンがお気に入りだった。メリッサ・スーが演じたメアリー同様、長女らしさが見てとれて魅力的だった。
それから郵便局で働いているフォスターを演じているルース・フォスターに似た女性が映画に一瞬登場するが、本人かどうかは確認できなかった。