ささやかな日常の記録

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【備考】闇の中の人質

シーズン6の「闇の中の人質」をBS4Kで見た。シーズン4の「人質になったメアリー」と比べると見劣りはするが、サスペンスとしてはそれなりに面白い。

冒頭、馬車で護送中の囚人が途中で汽車に乗り換える。そこで看守を騙して脱走するというエピソードは映画でもよく描かれる。

ところがDVDで見た時はけが人を連れてどのように汽車から逃げたのか分からなかった。今回、4Kで見直したら汽車の連結を外して脱出するシーンが描かれていてようやく納得することができた。そのうえ、看守が呑気にサンドイッチを食べながら脱走は不可能などと話しているシーンまであり、なぜDVDでこのシーンをカットしたのか意味不明だった。

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DVDではNHKでの初放送時にカットしたシーンは吹替が原語になるので分かるが、このようなカットもあるから4K放送は見逃せない。ちなみにNHKがカットしたのはアルバートがローラの代わりに食事を作り大失敗するシーン。バンディットにも食べさせようとするが臭いを嗅いだだけで逃げてしまうシーンを見て、エドワーズが作った蛇料理をジャックに食べさせようとしたシーズン1の「母さんの休暇」を思い出した。

そうこうしているうちに囚人3人は雨の中ウォルナット・グローブに辿り着く。そこで留守宅を守るメアリーとローラを人質にして盲学校に立て籠もる。その盲学校の建物は「人質になったメアリー」でジェームス兄弟が隠れた建物と同じである。

それにしてもオルソンが帰った後に侵入するのはタイミングがよすぎる。その前に様子を窺っているシーンがあれば良かったが、尺の都合で仕方がない。けが人を治療するためにベイカー先生を呼びにローラが嵐の中に出ていくが、これもちょっと無謀すぎる。盲学校から診療所までが近かったとしても、そこからプラム・クリークの家まで走るって凄すぎる。

雷光はあったとしても外は真っ暗だったはずである。それは盲学校の中も同じである。1階には暖炉の火が灯っていたが、2階はほぼ闇の中だったはずである。だからこそ闇の中でも自由に動けるメアリーが活躍すると思ってしまった。

ところがDVDではまるで電灯があるかのような明るさで、ちょっと興ざめしてしまった。それが4Kの映像ではだいぶ改善されており、闇の中の雰囲気はあったものの、それでも普通に動ける明るさがあった。

さすがに映画「暗くなるまで待って」(Wait Until Dark)のような演出をテレビでやるのは難しかったことと思う。それでも原題がDarkness Is My Friendだから、この映画のような展開も考えていたのかもしれない。

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しかし、ホラー映画が好きだったというマイケル・ランドンはメアリーが活躍するサスペンスよりも、メリッサ・スーの悲鳴や怯える表情を撮りたかったのかもしれない。

そしてチャールズの活躍により事件は解決するが、その後の顛末も出来すぎである。脱走した囚人の懸賞金がいつかけられたのかは分からないが、その金額が1,000ドルってどうなんだろう。ちなみに「人質になったメアリー」に登場したジェシー・ジェームスにかけられた懸賞金は10,000ドルだった。

そのジェシーブラッド・ピットが演じた「ジェシー・ジェームスの暗殺」も最近になって見ることができたが、彼を暗殺したボブ・フォードの顛末が実に面白かった。

囚人が脱獄する映画には「大脱走」や「ショーシャンクの空に」といった多くの名作があるが、個人的にバカらしくて好きなのが1997年に公開された「コン・エアー」である。ニコラス・ケイジをはじめとして多くの個性的な俳優が登場するが、「大草原」でオルデン牧師を演じたダブス・グリアがちょっとだけだが登場する。トラックの下でのニコラス・ケイジとの掛け合いが最高だった。その後、「グリーンマイル」で主人公の看守(トム・ハンクス)の晩年を演じ、2003年に90歳で亡くなっている。

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この映画では元イエストレヴァ―・ラビンのロックテイストの劇伴が最高だったが、美しいテーマ曲とともに忘れられない脱獄映画に「パピヨン」がある。こちらにも「大草原」で印象的な老人(シーズン2「竜巻」など)を演じたE.J.アンドレが登場する。

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