ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

「おかえりモネ」と秋のドラマ

久々に朝から晴れたが、放射冷却で霜が降りるほどの冷え込みとなった。そのため昨夜は早くも布団の下に毛布を掛けて就寝した。今月の初めにはタオルケット1枚だけで、寝る前にエアコンを点けたこともあったなんて信じられない。急激に季節は進み、秋を感じる暇もなく冬が来てしまったという感じ。

赤毛のアン」には10月があることへの喜びが語られており、まるで9月から11月にとんでしまったかのようなつまらなさを実感しているところである。このエピソードは現在放送中の「アンという名の少女2」でもしっかりと描かれていて嬉しかった。このドラマでは現代的なテーマを扱った2次創作が目立ってしまうが、こうした原作をベースにしたエピソードが出てくるとホッとする。それでもダイアナがLGBTを素直に受け止められずに悩む姿は印象的だ。

それは朝ドラ「おかえりモネ」で描かれてきた少女が震災に直面して悩み続けた姿にも重なってしまう。正直、朝ドラとして描くには重いテーマでそれが巧く描かれたとは言えないが、清原果耶と蒔田彩珠が演じた姉妹の心の軌跡は印象的だった。個人的に見たかった姉と妹の確執がしっかりと描かれたというだけで十分に満足できた作品だった。

かつて、ドラマ「透明なゆりかご」でも共演した二人の姿を見て、朝ドラとして見たいという願いが叶ったともいえる。ただ、個人的には「透明なゆりかご」は何度でも見たい大好きなドラマであるが、「おかえりモネ」は良かったけれども大好きとまでは言えないのが残念なところ。

どちらも安達奈緒子の脚本で清原の主演であるが、演出と音楽は違う。それは単純に好みの問題で「透明なゆりかご」は全話録画を残してサントラも購入したが、「おかえりモネ」は印象的なシーンと音楽はあったものの、繰り返し見て聴きたいとまではならなかったということである。

それでも「透明なゆりかご」で海辺を自転車で疾走した二人が、最後に海岸で抱き合う姿には感動してしまった。ここでようやく和解したということでもあり、自分にとってはここがクライマックスだった。

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ただ、個人的にこのシーン以上に好きなのは二人で「あさイチ」に出演してカスタネットを演奏したシーンだったりもする。暗い役柄の多い蒔田の素の天真爛漫な姿が見られて貴重だった。ドラマと共に、こちらの番組も保存版になってしまった。

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そんな蒔田が出演した映画「朝が来る」も見ることができた。ここでの蒔田の役は「透明なゆりかご」を彷彿とさせるが、より過酷な現実を生きていくことになる。原作は辻村深月のミステリーではあるが、蒔田の熱演で謎の部分はどうでもよくなってしまった。この映画でも海のシーンが美しかったが、それ以上に蒔田の表情が忘れられない。

この映画で蒔田が演じた少女の子供を養子にする夫婦を演じたのが永作博美井浦新。永作はドラマ「半径5メートル」も良かったが、そこで共演した芳根京子が出演しているのが「真犯人フラグ」である。

秋元康原案のミステリーというだけでは見る気になれなかったが、芳根が出演するということで見ることにした。ネットでは早くも芳根が怪しいとの声も出ているが、そんなのはどうでもよい。

芳根だったら裏の顔も違和感なく演じられるだろうが、今は犯人探しに協力する有能な部下の姿が魅力的なだけに素直に楽しみたいと思っている。

その上司役が「おかえりモネ」にも出演していた西島秀俊で、失踪した妻役が宮沢りえ安達奈緒子脚本のドラマ「G線上のあなたと私」も良かった桜井ユキも出演しており、いかにも怪しい雰囲気があって最高である。

そして井浦新が出演しているドラマが「最愛」である。こちらもミステリーであるが、「リバース」のスタッフが作っているだけあって安心して見ていられる。吉高由里子が魅力的であるが、井浦と松下洸平が演じている彼女を思う男たちに共感してしまい、その行方が気になるところ。

そんな訳で今月から始まった秋ドラマで見ているのは「最愛」と「真犯人フラグ」だけということになる。ついにこれまで見続けてきた「相棒」もシーズン20でリタイアしてしまった。

それでも来月からは新たに「カムカムエヴリバディ」が始まるし、BSで再放送している「マー姉ちゃん」も最高に面白い。ここでも熊谷真実と田中裕子の姉妹関係が楽しいし、三女のヨウ子も(「大草原」のキャリーみたいで)可愛い。

上京してからは島本須美が登場して、ますます面白くなってきた。このドラマが放送されたのは1979年で、島本はこの年にアニメ「赤毛のアン」のオーデションを受けている。これが宮崎駿の耳に止まり、「カリオストロの城」のクラリス役につながったとのこと。個人的にはナウシカの声で決定的に魅せられてしまった。

ここで島本演じる令嬢と対比される形でマー姉ちゃんが野ばらに例えられて喜ぶシーンがある。「野ばら」といえばシューベルトで、シューベルトといえば「魔王」という訳で、その「魔王」が「真犯人フラグ」で歌われて、ちょっとしたシューベルト・ウィークになってしまった。


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魔王といえばドラマ「恋は続くよどこまでも」で佐藤健が演じた医師のあだ名でもあるが、当地ではこのドラマも再放送されており、これも面白く見ている。昨年1月からの放送は見ていなかったが、話題になっていたのは知っていたので見てみたらハマってしまった。

出演者も見た顔が多く、ヒロインの上白石萌音は次の朝ドラのヒロインの一人だし、毎熊克哉は「半径5メートル」で芳根の相手役だったし、見上愛は「きれいのくに」に出演していた。そして平岩紙は「透明なゆりかご」の2話に出演していたということで忘れられない。