ささやかな日常の記録

現在と過去のエンタメなど

山本奈津子と金子修介

1971年にスタートした日活ロマンポルノが50周年ということで、WOWOWでも特集放送があった。とても全部見るだけの時間も気力もないので、2本だけ見ることにした。

まずは1984年に公開された「宇能鴻一郎の濡れて打つ」だが、金子修介の監督デビュー作ということでずっと見たかった作品であった。とにかくヒロインを魅力的に撮ることで個人的に大好きだった監督だけに、最初からヒロインの山本奈津子に魅せられてしまった。映画としてはそれだけで十分ではあるが、ストーリーも「エースをねらえ!」のパロディになっており、バカバカしくも明るい笑いが満載だった。挿入曲が暗い三角定規の「太陽がくれた季節」というのも最高だった。

この1984年は色々な意味で忘れられない年で、初めて日活ロマンポルノを観たのもこの年だった。5月に三軒茶屋の映画館で「セーラー服 百合族」と「セーラー服 色情飼育」を観ている。当時、すでに山本に魅せられていたようで「百合族」の鑑賞メモには次のように書かれている。

実に愛らしいキュートな作品であった。内容は女子高生のレズを扱ったものなのだがその思いが実に良く描かれていて青春映画の一種として楽しめた。とにかく、おっとりした一見カマトト風の女子高生を演じた山本奈津子の魅力が光った作品だった。

これはそのまま「濡れて打つ」にも当てはまり、そのひたむきな姿はアニメ「トップをねらえ」のヒロインにも重なり、ドラマ版の上戸彩よりも魅力的であった。

その後、金子は一般映画に進出するが、1988年公開の「1999年の夏休み」を観て名前を覚えた。映画館で観たのは次の通り。

1999年の夏休み(1988年)
どっちにするの。(1989年)
香港パラダイス(1990年)
就職戦線異状なし(1991年)
卒業旅行 ニホンから来ました(1993年)
毎日が夏休み(1994年)
ガメラ 大怪獣空中決戦(1995年)
ガメラ2 レギオン襲来(1996年)
ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒(1999年)

特に「就職戦線異状なし」と「ガメラ」シリーズは忘れられないが、テレビで見た「デスノート」と古沢良太脚本の「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」も面白かった。

 

次に前年に「博多っ子純情」を監督した曽根中生による1979年公開の「天使のはらわた 赤い教室」を見た。こちらは石井隆の脚本でヒロインの名前が名美ということで分かるように実にハードな作品だった。教育実習中にレイプされたことによりどん底に堕ちてしまったヒロインに魅せられてしまい地獄めぐりをすることになる中年男を演じたのが蟹江敬三。こちらは荒涼とした風景に蟹江が佇む姿が印象的で、水原ゆう紀が演じた名美はまさにファム・ファタルということになる。

この映画は1回見ただけで十分であるが、昔見た「博多っ子純情」をもう一度見たい。

ちなみに山本奈津子と蟹江敬三が出演したドラマが1987年に放送された「まんが道 青春編」である。山本は斉藤厚子名義で森高千里の友達役で登場している。